1日は働く人たちが団結し権利を要求する労働者の祭典メーデーだった。しかし近年はその象徴の「労働組合」が“死語”になりかねないほど雇用環境が悪化し、集会も盛り上がりを欠いている▼私たち団塊世代の時代は、正社員が当然の終身雇用で、当時華やかだった労組が毎年賃上げなど待遇改善を要求。経営者も今と変わらぬ厳しい経済状況の中努力してこれに応え、そこそこ財産も築ける働きがきちんと報われるそんな時代だった▼それが今は、パートや派遣社員などの非正規労働者が過去最高の38・2%(2012年総務省調べ)に増加して雇用環境は急激に変化。低収入で働きが報われないそういう時代になった▼その中で沖縄は、非正規が23万7500人と全国ワーストの44・5%を占め最悪だ。それが働けど働けど収入が生活保護以下の「ワーキングプア」や、所得が国民平均の半分に満たない貧困率に影響し、沖縄はその全国ワーストが常態化している▼ということは八重山も、今は新空港景気で求人も多いが、内実はそうなのだろう。こうした状況から脱するには、まず賃上げなどで雇用環境が改善されることだ▼先日のテレビで、給料が安いため狭いネットカフェで2年余も住み続ける母子が紹介されていた。果たしてそれは人ごとだろうか。(上地義男)
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