「津波や地震が起きた時の緊急避難場所って知ってる?」と友人に聞くと「あれ、どこだっけ」との答え。自身を含め即座に答えられる人は少ないのでは▼東日本大震災から3年、石垣市でも防災計画の見直しや防災マップの配布、防災や減災をテーマに講演会も開かれ意識は高まっているようにも思われるがどうだろうか▼離島の八重山は大規模災害が起きると物流などライフラインが寸断され孤立してしまう。ある調査では県内で水や食料の備蓄量が目標値に達しているのは4町村で、自主防災組織の整備はあまり進んでないようだ▼高齢者や障がいのある人の避難を手助けする計画を策定しているのは24市町村と策定率は全国最下位。お年寄りが多い八重山はこの計画も急ぐべきだし、子どもたちの防災教育も急務▼また東日本大震災被災者の命の明暗を分けた判断や体験から学び生かせる教訓も多いと思う。避難所での女性たちの切実な声で着替えや授乳、トイレなどプライバシーが守られずに困ったという。女性や障がい者、介護や子育てをする人の声も防災計画に入れてほしい▼24日は、かつて八重山を襲った明和大津波犠牲者の慰霊祭と石垣市民防災の日。いつ襲うかも知れない災害、専門家は「正しい知識が防災力となる」という。防災マップにも目を通し意識を高めたい。(辻本順子)
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