八重山地区学校給食研究協議会(会長・﨑山晃白保中学校長)主催の第22回八重山地区学校給食研究協議大会が8日午後、白保中体育館であり、出席者が研究実践発表や講演などを通して、食育の充実について考えた。
大会では、石垣市内の小中学校が1年単位で交代して、各校の給食実践を発表している。今年度は担当校の白保中が「生涯にわたって、心豊かにたくましく生きる力を育む学校給食の推進」を主題に①健康観察簿を活用した朝食チェック②食育講話と簡単料理講習③おにぎりの日④エプロンと帽子の導入—などに取り組んできた。
報告した同校の石垣沙耶養護教諭は「睡眠や栄養、運動の健康3本柱がそろってはじめて健康な生活が送れる。今後も朝食欠食率の調査を続け、学校全体の共通認識で生徒の食への興味関心を喚起したい。家庭や地域と連携し、基本的な生活習慣の確立を図っていきたい」と述べた。同校の川村貴志教諭は県健康教育研究大会の参加報告を行った。
終了後、名桜大学人間健康学部上級准教授の前川美紀子氏が「“食”は社会人基礎力(生きる力)に繋がる」の演題で講演。
前川氏は社会人基礎力として▽前に踏み出す力(アクション)▽考え抜く力(シンキング)▽チームで働く力(チームワーク)—を挙げ、つけるために▽知識を理解し活用する力(リテラシー)▽人と自分にベストな状態をもたらそうとする力(コンピテンシー)—が重要だと強調。
県の中学2年生の朝食摂取状況や、大学生を対象に実施したアンケート結果、ジャンクフードの弊害なども紹介し、「生徒自身が食生活の心と体に及ぼす影響を認識し、自身で自分の身体をつくる意識を高めることが必要。家庭や学校、地域での食育充実のために連携を取りながら進めることが大事」と述べた。
会場では同校PTA手作りのジューシーやユヌクもち、サーターアンダギーなどが用意され、参加者に振る舞われた。
冒頭、﨑山会長は「食育を通じて、食に関する知識と食を選択する力を習得させ、健全な食生活を実現できる児童生徒を育てていきたい」とあいさつした。