辺野古埋め立ての県民投票と石垣の自衛隊基地建設の住民投票で、県内の公明党の判断が分かれた▼というのは糸満市議会の議長と石垣市議会の議長が公明党で、どちらも可否同数での議長裁決に持ち込まれた。糸満市議会の議長は県民投票実施の賛成にまわり可決。糸満市民の投票の権利を守った▼この流れが公明党県本部に影響を与えた。県議会で当初反対していた公明党幹部が水面下で2択から3択案への条例改正案で動き、与野党が足並みをそろえたことは記憶に新しい▼だが、自衛隊をめぐる住民投票の採決で可否同数となった石垣市議会。公明党の議長がとった行動は糸満市議会とは真逆の否決。平良秀之議長は「審議不十分」を理由に挙げたが、糸満市議会の議長は住民発議の重さと地方自治法を尊重して可決に回った。糸満市議会の公明党議長と石垣市議会の公明党議長との、この差▼どこの議会でも市民の声を市政に反映させる役割が議員の使命だろう。石垣市民が集めた1万4000筆の署名者には、自衛隊基地建設に賛成の人もいたという。市民が自衛隊問題を考えるきっかけさえ奪われてしまった▼石垣市議会の議員の皆さん、ここはひとつ立ち止まって再考してはどうか。議員発議という手段もある。市民の夢を壊さないでほしい。(金城正洋)
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