八重山署(仲村智成署長)管内の路上寝込み件数が今月17日時点で132件に上り、年間568件と過去最悪だった昨年(4月末時点で116件)を上回るペースで推移していることが分かった。同署が18日午後、発表した。同署は初の取り組みとして4月から路上寝込み者に警告書を出しており、今後、路上寝込みを繰り返す者には、検挙も辞さない強い構えで臨むことにしている。
警告書には氏名、職業、路上寝込みの状況が示され、「路上寝込みは道路交通法違反。非常に危険。今後、同様の行為を繰り返す場合は逮捕されることがある」と記されている。路上寝込みは道路交通法第76条に違反し、5万円以下の罰金が科せられる。
同署管内では、1月に石垣市石垣の通称18番街の駐車場で酒に酔って寝ていた男性=当時(68)=が車にひかれて左鎖骨、右肋骨(ろっこつ)骨折など重傷事故が発生。2007年には死亡事故、05年には重傷事故が起きている。
また昨年、路上寝込みを狙った窃盗事件が4件発生し、うち3件が検挙されている。
管内の路上寝込みは美崎町や18番街付近で多発しているという。年齢は20−70代と幅広く、男性が大多数だが、中には女性も含まれている。
路上寝込みは例年、暖かくなる5月ごろから増え始め、6−9月をピークに冬場は減少している。
発生件数は1日当たりに換算すると、昨年は1・6人。今年は増加する夏場を前に1・2人となっている。
嘉手苅忠夫副署長は「新空港開港以降、多くの観光客が来島している。路上寝込みは石垣市のイメージを損なうだけでなく、青少年に対しても悪影響を及ぼす。節度ある飲酒を心がければ路上寝込みは防げる」と話している。