熊本県多良木町の農場で飼育していた鶏から鳥インフルエンザが確認されたのを受け、八重山家畜保健衛生所(多嘉良功所長)は16日午後、同所に八重山地区内の関係者を集めて「八重山地域特定家畜伝染病危機管理対策会議」を開き、県が養鶏農家向けに示した侵入防止対策の情報を提供するとともに、関係機関の連携強化を確認した。同家保によると、郡内の養鶏場ではこれまでに鳥の異常は確認されていない。
昨年12月末現在、郡内では53戸の養鶏農家が4万9164羽を飼養。3市町別では▽石垣市=4万8540羽▽竹富町=489羽▽与那国町=135羽。
同家保は14日、500羽以上飼育する養鶏場6カ所で立ち入り検査を行うとともに、100羽以上を飼育する養鶏場11カ所に電話で異常鶏の発生などの聞き取りと感染予防の徹底を呼びかけている。
この日の会議では、同家保の多嘉良所長が「県の対策本部で確認された方針をもとに管内の関係機関との迅速な情報の共有化を図りたい」とあいさつ。
鳥インフルエンザ防止対策として、野鳥や野生動物を侵入させない防鳥ネットの設置や鶏舎内の消毒強化の徹底を農家に呼びかけることを確認。竹富町や与那国町は、同家保と協力して実施する。
参加者から、管内で感染が確認された場合の対応マニュアルや関係機関の役割、連絡網の再確認を求める声が挙がり、家保側は、再度、初期対応を含むマニュアルと発生時の対策本部機関の連絡網を配布し、今後はこれに基づき防疫訓練を重ねて万が一に備える考えを示した。
風評被害に対する懸念についても指摘があり、同家保側は「今回の鳥インフルは鳥から人に感染する可能性はなく、八重山の鶏肉や鶏卵への影響はない」と安全性を強調した。