12月定例石垣市議会(平良秀之議長)に提出されている辺野古米軍基地建設のための埋め立ての賛否を問う県民投票の管理費1353万円を追加する一般会計補正予算案(第5号)は21日、総務財政委員会(砥板芳行委員長、8人)で採決が行われ、3対4の賛成少数で否決された。公明石垣の対応が焦点となっていたが、議長の平良氏が反対を明確にした。第5号は25日の最終本会議で原案否決の報告後、採決されるが、賛否が拮抗(きっこう)しており、議員の判断が注目される。
市は総務財政委で経費が義務費に当たるかどうかの解釈について「県が条例で義務費と考えているので、義務費として手続きを進めるほうがよい」(翁長致純総務課長)との顧問弁護士の見解を紹介。中山市長は、仮に議会で第5号が否決された際、地方自治法に基づき同日中に再度提案する見通しだが、これも否決された場合は議会の判断に従う考えを示している。
総務財政委では採決に当たり、原案に賛成の野党側は「経費は義務費と見なすことができる。主権者である市民の権利を奪うことがあってはならない」(宮良操氏)、「住民発議の住民投票。県議会で審議、可決された。市の顧問弁護士も義務費と考えて進めるほうがいいとしており、法律の専門家の提案に従うことが望ましい」(花谷史郎氏)などと主張。
反対の与党側は「普天間飛行場の危険性除去が原点。二択では意思を表明できない県民がいる。宜野湾市、辺野古地区の当事者を置き去りにする投票はすべきではない」(長山家康氏)、「意見の多様性を認めるべきだ。埋め立ての是非だけを問い、拘束力もない投票で完結できる問題ではない」(石垣亨氏)と反論した。
平良氏は取材に「県知事選で民意は出たととらえている。シングルイシューでは複雑な意見を拾い上げられない。二択では集約しづらい」と反対の理由を語った。議長は本会議での採決に加わらないが、同じ会派の石垣達也氏が平良氏と同様の対応をとるとみられる。
このほか、平得大俣への陸自配備計画に伴う市有地の不動産鑑定委託料を予備費に回す修正案が野党側から提出されたが、賛成少数で否決され、原案が与党の多数で可決された。