12月定例石垣市議会(平良秀之議長)の一般質問最終日は21日、砥板芳行、東内原とも子、友寄永三の3氏が登壇した。当局側は、来年度から中学3年生以下を対象にインフルエンザ予防接種の助成事業を開始すると明言した。東内原氏への答弁。
中山義隆市長は「子どもが学校を休むと、親ごさんも仕事を休まざるを得ない。負担や経済的損失を考えると実施するべきだと考える。多くの財源を確保し、補助率を上げたい。当初予算に組み入れる」と述べた。補助率などは今後、調整する。
都市計画の将来像を示すマスタープラン(基本計画)について安里行雄建設部長は「2年後の策定を目指し、次年度から全面改定に取り組む」と述べ、旧空港跡地や現市役所庁舎の活性化のあり方など都市計画の方向性を示す考え。併せてコンパクトシティーと公共交通ネットワークの推進を目的とする立地適正化計画の策定にも取り組む。
質問した砥板氏は「旧空港跡地の新庁舎前から総合体育館までの空域が都市計画から抜けている。ゾーニングが必要だ」と指摘、安里部長は「全面改定の中で検討したい」と応じた。
県民投票を取り上げた友寄氏は「マスコミのフェイクニュースによるミスリードにより、辺野古を新基地と信じ込まされ、辺野古移設が世界一危険な普天間飛行場撤去とセットだということが隠された県民投票には反対だ」と表明し、県民投票経費が否決された場合の違法性の有無を確認した。
知念永一郎総務部長は「補正予算を否決することが違法であるとの法令の規定はない」と説明した。
【12月定例石垣市議会一般質問要旨】
▶指定管理者制度
砥板芳行氏=今定例会でも厳しい質疑が行われている。選考方法は。
大得英信企画部長=公募については総合点数方式で最も高い事業者を選定している。
砥板氏=途中で撤退する事態もあった。所管課の職員が事前に実態を調査して選定委員会に上げていくことが必要だ。
▶港湾計画
砥板氏=新港地区のクルーズ船用岸壁の整備状況、整備計画、クルーズ船の寄港回数は。
安里行雄建設部長=岸壁295㍍に45㍍延長する工事が進められている。次年度はさらに80㍍延伸する。80㍍延伸されると、420㍍で水深10・5㍍となり、20万㌧級の接岸が可能。計画は2020年度の完成。
砥板氏=クルーズ船の寄港は昨年の132回から今年12月現在で107回に減少している。クルーズ船の効果は大きく大切に育ててもらいたい。
▶保育行政
東内原とも子氏=新年度の入所申し込み受け付けから内定通知書の発送までの期間は。
南風野哲彦こども未来局長=10月に受け付け、来年2月中旬には内定通知書を発送する。
東内原氏=保護者への通知を早められるAI入所選考の導入は。
南風野局長=AI活用は市全体で業務の効率化を考える必要がある。関係部署と連携して研究したい。
▶ヘルプマーク
東内原氏=認知度向上と普及拡大を目指す取り組みは。
宮良亜子福祉部長=申請交付人数は23人。配布場所を増やすなど受け取りやすい環境づくりを検討したい。
東内原氏=福祉課だけでなく窓口を拡大してもらいたい。
宮良部長=母子手帳交付申請や健康診断で訪れる機会の多い福祉センターは有効。北西部では消防出張所にも広げたいと考えている。
▶自治基本条例
友寄永三氏=最高規範とうたっているが、本当か。
大得英信企画部長=他の条例は同条例と整合性をとることを義務づけており、実態として運用上の最高位にあると条文はうたっている。
友寄氏=市民の定義を広げている理由が分からない。条例は市民を看板にした市民不在の条例。直すところが多々ある。
▶国家君が代
友寄氏=入学式、卒業式の実施はどうなっているか。
宮良長克教育部長=学習指導要領で入学式、卒業式で斉唱すると明記されている。全員、一部の違いはあるが、多くの学校で歌われていると理解している。
友寄氏=しっかり歌っている学校は。
宮良部長=学校名は把握していない。
友寄氏=把握していないのに全員がしっかり歌っているのか。本気で指導に入るべきだ。
宮良部長=要領にのっとって指導したい。