石垣市住民投票を求める会(金城龍太郎代表)は20日夕、平得大俣地域への陸上自衛隊配備計画の賛否を問う住民投票条例の制定を求める有効署名1万4263筆の名簿を中山義隆市長に提出、地方自治法に基づき直接請求を行った。中山市長は「議会と相談して年内に招集を告示し、年明けの早い時期の開会を目指したい」と述べた。議会の招集は20日以内となっていることから、来年1月7、8、9日に開会する見通し。
署名簿は市選挙管理委員会で13日から19日まで縦覧され、異議申し立てがなかったため、求める会は20日、返付を受けた後、庁議室で本請求を行った。
金城代表は「このままの状態で基地建設が進められたら、私たちは、この島の暮らしの安全、豊かな自然、産業を子や孫たちに責任をもって伝えることはできない。今一度よく考え、後世に悔いを残さないためにも、賛成にせよ反対にせよ、市民の意思がはっきりと分かるような形にすべきではないか」と趣旨を読み上げ請求書を手渡した。
中山市長は「これだけたくさんの署名が集まったことは重い。皆さんは早く議論を始めたいと思うので、議会の招集を早めにできるようにしたい」と応じた。
中山市長は、意見を付して条例案を議会に上程するが、開会中の市議会一般質問で「議会で否決された場合。市長が実施することはできない」などと議会の判断に委ねる意向を示していることから、住民投票が実施されるかどうかは議会がかぎを握ることに。有権者数の約37%を占める署名数の重みをどう受け止めるか対応が注目される。
金城代表は本請求後、「1万4000人余りの思いが詰まった署名簿。無事に渡せてホッとしている。配備場所や計画の進め方に疑問の声が多い。住民投票を通してみんなで考えるきっかけになればと思う。これだけの市民の思いが形になった。議会には期待するほうが大きい」と記者団に語った。