12月定例石垣市議会(平良秀之議長)は19日、石垣達也、我喜屋隆次、井上美智子、内原英聡の4氏が一般質問を行った。我喜屋氏が、小学校の修学旅行先として西表島など周辺離島を提言した。今月1日から試験運行している新規路線バス「新八重山病院線」の利用率が低迷していることが分かった。児童館建設の2023年の供用開始に向けた取り組みの説明もあった。
答弁によると、小学校の修学旅行先は学校長に一任されており、全校とも沖縄本島。我喜屋氏は「離島に関係のない子どもたちは行く機会が少ない」と要望。
宮良長克教育部長は「マラリアの平和学習、雄大な自然、歴史など郷土学習の観点から八重山諸島を旅行先の選択肢の一つと校長会で伝えたい」と応じた。
新規バス路線は、18日現在の利用状況は1往復で平日4・3人、土日1・3人。一般乗客12人と設定している採算ラインを割り込んでいる。
我喜屋氏の質問に平良守弘商工振興課長は「バス会社が実態調査を行っており。これを踏まえ、バス会社、病院、県との話し合いの場を設定したい」と述べた。赤字が出た場合を想定して単費補助金94万円を補正予算に計上している。
石垣氏が取り上げた児童館建設について南風野哲彦こども未来局長は「厚労省の交付金活用を予定しているため、行動計画の策定が必要。本年度は0歳児童から中学生の保護者を対象にニーズ調査を実施し、次年度の策定に取り組む」と報告した。
【12月石垣市議会一般質問要旨】
▶冷房設備設置
石垣達也氏=小学校普通教室での設置率100%に向けた取り組みと課題は。
宮良長克教育部長=八島と真喜良の2校で普通教室の設置が進んでいない。内部構造が大きな空間となっているため、効率よく冷やすことができない。間仕切り壁など、改修方法を学校と協議して整備を進めたい。
▶動物愛護
石垣氏=南ぬ浜町緑地公園の猫にも来年度から始まる避妊去勢手術制度は使えるか。
野底由紀子市民保健部長=他市の状況を確認し、獣医師とも意見交換を行った上で制度設計を行いたい。緑地公園の猫への助成も検討したい。
▶世界平和の鐘30周年
石垣氏=ピースベルアイランドイシガキの平和宣言はすばらしい内容。モニュメントを設置するなど市民や観光客の目に付く場所に設置できないか。
中山義隆市長=何らかの形で目に触れるよう、思いが伝わるよう、提案を検討したい。
▶旧空港跡地磁気探査
我喜屋隆次氏=進捗(しんちょく)状況は。
知念永一郎総務部長=八重山病院から半径470㍍の範囲の磁気探査、発見された不発弾の安全化の処理が9月11日で終了した。
我喜屋氏=470㍍の内側でも病院の西側は実施されていない。
大濵武防災危機管理室長=地権者の申請を受け、県に送ることになる、県が判断することになる。土地改良など他の補助事業が入っている場合は、できない事例がある。
▶ヘリポート移設案
我喜屋氏=新庁舎建設に伴い、ヘリが降りられない可能性があると懸念する声がある。
宇根規光消防長=県と調整会議を開催したが、旧空港跡利用に影響があるとの指摘があり、どう判断するか町内関係課と協議している。新庁舎建設でクレーンが障害物になる可能性があり、4年後の区画整理で建築物が建ち始めると支障になることが想定される。意見調整を継続したい。
▶認定子ども園
井上美智子氏=公立施設の移行スケジュールと課題は。
南風野哲彦こども未来局長=2019年度のおおはま、まきら、へいしんの移行に向け改修工事をしている。へいしんは1年前倒し。移行に伴い給与の協議も必要。保護者はもとより幼稚園教諭の不安がないように取り組む。
翁長致純総務課長=幼稚園教諭は教育職、保育士は行政職。同じ職務になるので不利にならないよう調整する。
井上氏=高いほうに合わせてほしい。