12月定例石垣市議会(平良秀之議長)は18日、花谷史郎、大濱明彦、長山家康、前津究の4氏が一般質問を行い、当局側の見解をただした。教員養成講座や、ふるさと納税の実績などが報告された。
3年前から始まった教員養成講座では受講した141人のうち33%に当たる47人が合格。講座開始前までは例年1桁の合格者数だったが、開講以降は13人、19人、15人と2桁を維持している。宮良長克教育部長が前津氏に答えた。
石垣安志教育長は「現在、教員に占める地元出身者の割合は56%。合格者が年々増え、養成講座が大きな成果を上げている。今後も継続したい」と述べた。
ふるさと納税はことし3月末までの10年間で5200件3億2187万円が寄せられ、返礼費や事務経費を除いた額が2億1334万円。うち執行したのは3829万円で執行率は17・9%。大得英信企画部長が花谷氏の質問に答えた。
大得部長は「絶対的な評価は難しいが、適正な値であると考えている」と述べ、事例を挙げながら活用事業を拡大していることを紹介した。
「ひきこもり」問題で、当局側は2014年度に行ったアンケート結果について宮良教育部長が「全国と比べて割合が高い」と説明、中山義隆市長は「連携がとりやすいような組織体制にする」と全庁的に取り組む考えを示した。
長山氏は、日没から日の出までの経済活動を総称する「ナイトタイムエコノミー」の推進を提言。大嵩久美子観光文化スポーツ局長は星空を生かしたイベントや美崎町の社交文化などに触れながら「本市でも石垣島型ナイトエコノミーの振興、発信に取り組みたい」と述べた。
一方、「国際観光都市として必要だが、安心安全対策が課題。不安を解消しながら進めていく必要がある」とも述べた。
【12月石垣市議会一般質問要旨】
▶ごみ焼却炉
花谷史郎氏=廃プラを燃やすことありきで、後付け的な説明ではなかったかと住民は疑念を持っている。
野底由紀子市民保健部長=廃プラを燃やすと燃焼効率が上がり、有害物質が抑制されることは以前から分かっている周知の事実。後付けではない。今後も継続して住民に説明したい。
花谷氏=住民の気持ちをくみながら進めてもらいたい。
中山義隆市長=廃プラは以前から燃やせないか検討し、調査してきた。理解を得るため丁寧に説明していきたい。
▶ハラスメント
大濱明彦氏=市役所内での各種ハラスメントの実態調査の有無と対策は。
知念永一郎総務部長=ハラスメント防止対策規定を制定し、2016年4月から実施し、ハラスメント行為の防止、排除に努めている。相談窓口を設置しており、相談があった場合は調査委員会を設置し、必要であれば助言を行うことになっている。現在までのところ相談窓口に問い合わせが数件あるが、調査委員会の設置までには至っていない。
▶浜崎マリーナ
長山家康氏=斜路の凹凸が激しい。台車のキャスターがはまってしまい、破損することがあると聞いている。対策は。
安里行雄建設部長=斜路の修繕は利用者の情報をもとに行ってきた。2017年度に修繕したが、再度確認したい。
▶伝統工芸館
長山氏=老朽化が進み、雨漏りがある。
大得英信企画部長=築40年になる。雨漏りは11月22日に修繕して引き渡した。
長山氏=利用者数は。
大得部長=17年度の見学者は754人で、収入は2万2960円。月に20~40人近く。
長山氏=工芸館が認知されておらず、見学者が少ない。織物体験ができることを周知すれば観光客も来る。施設の有効活用が必要だ。
大得部長=指定管理者と利用や劣化の状況を確認しながら、移転改築の計画を練っていくことになる。
▶市営プール
長山氏=築31年が経過し、老朽化によって使い勝手が悪い。中央運動公園再整備基本構想で、通年利用や室内温水プールの検討が求められる。
安里建設部長=再整備計画では、2019年度に基本計画、20年度に基本設計、21年度に実施設計を想定しており、最短でも22年度以降になると思う。市民のニーズやランニングコストなどを検討したい。
▶新庁舎建設
前津究氏=進捗(しんちょく)状況は。応札者はあるか。
知念総務部長=25日に3度目の入札を行うが、建築、設備ともに参加をいただいているので入札を執行できると思う。予定価格の範囲内であれば契約できるものと考えている。