【与那国】12月定例与那国町議会(前西原武三議長)は18日から一般質問に入り、杉本英貴、崎元俊男、与那原繁、與那覇英作の4氏が登壇した。外間守吉町長は昨年6月から不在が続く教育長の人事案を来年の3月定例会で提案することを明言したほか、野党側が協議に応じれば(3月議会前に)臨時議会を開き対応する考えを示した。また、教育長不在後、町教育委員会の定例会が一度も開かれていない現状も分かった。崎元氏への答弁。
町教育委員会は昨年の6月16日に前教育長が任期満了で退任以降、教育委員が教育長の職務代理者を担っているが、充足数3人の教育委員も1人しかいないことから、教育行政への影響が長期にわたり指摘されている。
教育長不在の問題に町教育委員会の村本浩利総務課長は「年間通して学校行事は多く、職務代理者が参加している。定例会で決定する教科書採択などは不在のまま業務遂行しているが、本来の姿ではない」と答えた。
外間町長は「(9月定例会の議長選挙)で政争の具にされた過去もあるので今議会での提案は避けた。来年3月定例会で提案したいので協力してほしい」と野党側の理解を求めた。
一方、建設から36年で施設の老朽化が指摘されている町学校給食共同調理場についてただした與那覇氏の答弁で村本課長は「以前の設計は過去の単価なので、2019年度に基本構想に関する委員会を立ち上げて24年度に事業採択したい」と移転新築事業のやり直しを強調した。
7日に開始した今期の製糖操業予測実績に町側は、操業日数が来年4月30日までの144日間、生産量は前期を1000㌧上回る過去最多の5875㌧となることを報告。
新製糖工場の処理能力の拡大に外間町長は「当初計画で一日の処理能力が70㌧の工場を要望したが、当時は生産量が3500㌧から4000㌧を推移していたので現在の50㌧工場になった。目標とする生産量の7000㌧に到達した時期に農家の意見を踏まえて検討する必要がある」と述べた。与那原氏への答弁。
杉本氏は庁舎跡地への公園整備を当局に求めた。
【12月定例与那国町議会一般質問要旨】
▶製糖工場の葉ガラ再利用
杉本英貴氏=今後の計画は。
慶田嵩精三産業振興課長=製糖工場からは約10%の葉ガラが出る。再利用するたい肥センターの設立に向けて畜産農家を集め説明会を行いたい。
▶高齢者への配食サービス
崎元俊男氏=独居老人もおり、安否確認も含めた配食サービスを現在の1食から2食にしてほしい。
南風原弘明長寿福祉課長=与那国町の高齢化率は陸自駐屯地配備後、約25%前後で県内でも低い。配食は1食でよいという利用者意見もあるが、独居老人に限定して2食の配食も検討したい。
▶台湾花蓮市との交流事業
与那原繁氏=後の計画は。
外間守吉町長=二転三転したが、中華航空の石垣と台湾路線を利用して来年4月以降の訪台を考えている。
▶AIバスの導入
与那原氏=導入計画は。
小嶺長典企画財政課長=19年度に再度、実証実験を行い、20年度の導入を目指しているが、運営費の負担がある。町民から既定の路線バスの時間帯が利用しづらいという意見もあるので、ニーズ調査を踏まえて並行して運行させたい。
▶職員採用試験
與那覇英作氏=今年度の募集は。
上地常夫総務課長=今年度は職員採用候補者選定試験の公募と試験方法を見直している。年内の告示、来年1月に1次試験を行いたい。