12月定例竹富町議会(新田長男議長)一般質問最終日は13日、那根操、上盛政秀、仲里俊一の3氏が登壇した。町は、西表島東部に農産物集出荷場建設を計画し、2020年度着工を目指す考えを示した。マンゴーやパイナップル、米などを取り扱う予定。国が管理している同島祖納の上村について町は、地域住民の利活用に向け今年度、測量設計などを行い、今後、調査を重ね、土地の借用や買い取りを国に要請する方針。
集出荷場は当初、西表西部でパイン・マンゴー専用施設として建設を計画していた。小濱啓由産業振興課長は「西部の農家たちと協議を進めた結果、(西部では)自分たちの資本で建てることになり、東部に計画を持ってきた」と説明。仲里氏は規模や水稲の乾燥機導入について質問。小濵課長は「西部の集出荷場は1000平方㍍を予定していたが、東部で米やカボチャの分を考慮すると一回り大きくなる。詳細は地元の推進チームの中で検討していく。乾燥機は収穫面積を算定して石垣島のJAライスセンターを参考に導入を進めたい」と答えた。
祖納地域の上村は、2008年に祖納公民館が国有地7㌶の払い下げを求め町などに要請。町は沖縄総合事務局などと協議を進め住民説明会も開催している。那根氏は祖納地域活性化に向けた上村の利活用をただし、通事太一郎政策推進課長は「土地の購入、借地は上村に上る道路の設計、施工に入った段階で話が進むものだと思う」と述べた。
上盛氏はスク遺跡の整備活用計画をただし、新盛勝一教育社会文化課長は「竹富町文化財審議委員会の調査で、重要性を認識している。現地調査を考えている」と前向きな姿勢を示した。上盛氏は「史跡は整備しないと見ることができない。島の歴史を知ってもらうために公園化してはどうか」と提言した。
【12月竹富町議会一般質問要旨】
▶伝統芸能保存継承
那根操氏=国の重要無形民俗文化財指定後の補助や支援。今後、指定を受ける予定の地域はあるか。
新盛勝一教育社会文化課長=民俗文化財等活用事業で該当すれば工具の新調や修繕は可能。ただ、採択まで時間がかかる。文化財指定に値するのは波照間島のムシャーマ。
▶白浜地区の安心安全
那根氏=自動体外式除細動器(AED)の設置。
東金嶺肇防災危機管理課長=12月議会の補正で設置予算を計上している。可決後、早急に白浜港ターミナル内に設置したい。
▶文化財(史跡)の整備活用
上盛政秀氏=海垣の観光資源活用について。
通事太一郎政策推進課長=観光振興計画の中で文化財等の活用が含まれる。地元の同意が必要。学校教育や観光資源として活用が見込まれる。資源としては海とのつながりを表す有効なもの。その可能性を検証しなければならない。
▶上盛氏=井(カー)の調査や整地。
佐加伊勲水道課長=災害時に備え、井戸水を利用できるか飲料水として使えるか調査を検討したい。
小濵啓由産業振興課長=湧き水の水質調査のため基盤整備できないか、メニューを探して関係課と協議したい。
▶地域特産品の奨励
上盛氏=伝統工芸品について。
小濵課長=織物の従事者を定着させるため、案を竹富町織物協同組合に持ち掛けている。まとまれば、持続的に発展できる産業の実現に向け話ができる。
上盛氏=クモー豆のハウス栽培。
小濵課長=クジャクの被害を避けるため、地元が組織体制を構築できれば、JAにノウハウがないか確認したい。
▶道路整備
仲里俊一氏=鳩間集落内の道路整備。
大盛總まちづくり課長=地域の意向を確認して、鳩間10号、5号、7号線も含め補助事業で整備できるよう取り組む。最終処分場入り口付近は、町道でないので担当課と協議したいが、手続きや費用算定などで整備は早くても3、4年かかるとみている。
仲里氏=住吉地区の道路。
大盛課長=住吉町道1号線の舗道は次年度、当初予算に組み入れ起債事業で行いたい。
仲里氏=住吉町道カーブの排水整備。
大盛課長=排水施設機能を早急に調査したい。
▶住吉高架タンクの解体
仲里氏=解体時期はいつごろか。
佐加伊課長=老朽化が進んでいるので次年度、入札方式で早急に対応したい。
▶上原デンサー広場整備
仲里氏=具体的にいつ整備か。
新盛教育文化課長=一括交付金の整備で、新年度に採択されれば平成32年度に着工したい。舞台などは現在より若干広くなる予定。
▶東部地域のカボチャ生産
仲里氏=土壌改良整備。
小濵課長=本年度、改良した圃場が好評を得ている。来年の収穫結果を見て、次年度も改良できるよう検討したい。
仲里氏=農業の後継者育成。
小濵課長=資機材提供や研修を行い、農地の借貸をうまくマッチングさせたい。
▶白浜団地の跡地利用
仲里氏=今後の計画。
大盛課長=現在4号棟を造っており、次年度にもう1棟造る。平成32年度に旧団地の解体予定。