国連教育科学文化機関(ユネスコ)は11月29日、宮古島のパーントゥなど国内10件の伝統行事で構成する「来訪神 仮面・仮装の神々」を無形文化遺産に登録することを決定した▼仮面をかぶったり仮装をしたりした人が神として家々を訪れ、怠け者を戒めたり、幸福をもたらしたりする行事。東北地方では、幼児に対する教育の手段として理解されており、ユネスコも「子供たちのしつけ」を評価の一つに挙げた▼「泣ぐ子はいねがー」「悪い子はいねがー」。秋田県の男鹿(おが)のナマハゲを紹介する報道番組では、子どもたちが、ナマハゲの前で悪いことはしないと約束する口上を述べていた▼「しつけ」という面で子どもたちの教育に大きく貢献しているかもしれない。これが、全国学力テストトップクラスの下地にあるのではないか。そんな思いもふと頭をよぎった▼教育は学校・家庭・地域と言われる。しかし、子どもたちが接する機会が極めて少ない地域はどう関わればいいのか、あるいはどう関わることができるのか▼八重山にもナマハゲと同じような行事があり、それ以外にも伝統行事や地域行事がいっぱい。行事に向けた練習で地域の大人が子どもたちを指導することも教育だ。行事は両者をつなぐツール。子どもたちを積極的に参加させよう。(比嘉盛友)
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