【西表】世界自然遺産登録候補地(奄美大島、徳之島、沖縄島北部、西表島)でツアーをしているガイドの意見交換会が28日午後、西表西部の浦内公民館で開かれ、各地域のガイドなど約30人が「世界自然遺産登録に向けて持続可能な自然を活用した体験にするためにガイドがすべき事」をテーマに意見を交わした。浮き彫りになっている4島の現状や課題を議論し、「外来種の駆除、在来種の保全」「フィールドに負担をかけないツアー」「4島の行政やガイド間の情報交換や人材交流」などの意見が出た。
会では、4班に分かれグループディスカッションを実施。4島共通の課題や西表島の現状について話し合い、西表のガイドから「西表は遺産登録について賛成・反対の前に天から降ってきた話に住民は戸惑っている」と説明。徳之島のガイドは西表の印象について「自然遺産登録に関するのぼりや看板などをもっと設置して普及啓発に努めてみては」と提案。奄美大島では、ことしの登録が見送られたことで、固有の生き物や植物について住民の意識が高まっているという。
奄美大島のガイドは、ガイド業を地域住民に理解してもらうためルールの整備や、フィールドと人が住む里をつなぐコンテンツを増やすよう求めた。
意見集約後、代表者による発表では、沖縄、鹿児島両県が、各地域の交流ネットワークを構築し世界自然産登録に向け足並みをそろえようと動いているのに対して、「西表島として自然を活用したビジョンが必要」「4島が連携するため統括の窓口が必要。文化や生活様式も違う4島の連携は難しいのでは」など厳しい声もあった。
意見交換会は、両県が共同で取り組む奄美・琉球エコツアーガイド交流事業の一環で、今月中旬から下旬にかけて各地域のガイドが候補地を視察。西表島は27日から2日間、フィールドワークや座学を行った。29日から本島北部を回り、参加ガイドは来年2月に地域別で報告会を開く予定。