一日の疲れをとり、翌日への活力を蓄えるのに大事にしたいのが睡眠。時間もそうだが特に睡眠の質が大事だという▼その良好な睡眠を妨げるのが睡眠時無呼吸症候群(SAS)。聞きなれない言葉だが、寝ている間に呼吸が止まる病気だ。脳や体内の酸素が減り、これを補うため、寝ている間も脳や体が休息できず、強い眠気や倦怠(けんたい)感、集中力低下を引き起こす▼居眠り運転が、SASでない人の5倍に上るとの調査結果もある。読者の中にも身に覚えのある人はいるだろう。糖尿病や心筋梗塞などのリスクが高まるとも言われている▼そのSASは中高年や肥満ぎみの人に多いという。筆者の回りでも、筆者を含めそれらしき人がたくさんいる。睡眠時の呼吸停止は本人では自覚しづらいが、周囲からイビキを指摘される人は、疑った方がいいようだ。何度も目が覚める人、起きた時口が渇いている人も要注意だ▼SASの治療法として普及しているのがCPAP(シーパップ)。寝ている間に機械で気道に空気を送り続け、気道を開けておく方法。装着して寝ると熟睡できるため、出張に機械を持参する人も▼予防には適正体重の維持や寝酒を控えることなどが有効とか。いずれにしてもSASに心当たりの人は一度、病院で検査してみては。(下野宏一)
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