地方自治法に基づく直接請求に向け、石垣市住民投票を求める会(金城龍太郎代表)が署名活動を展開している平得大俣への陸上自衛隊配備計画の賛否を問う住民投票条例の制定について、配備推進の保守系与党にも意義を認める向きがあることが13日までに分かった。仲間均氏が本紙の取材に「異議はない。民意を問うことは良いことだ」と述べ、条例案が議会に上程された場合の対応について「賛成する」と明言した。平得大俣への配備について合意形成を求めている箕底用一氏も一定の理解を示した。議会の判断が注目されそうだ。
仲間氏は「辺野古の県民投票は、辺野古が新基地ではなく増設ということ、普天間飛行場の危険性除去が条例に入っていないということで反対しているが、石垣島の場合は新たに駐屯地を造るので、みんなの意見を聞いた方がよい」と指摘。
住民投票で反対が賛成を上回った場合の対応については「陸自配備は国の専権事項なので国が判断することだ」とした。
市議選アンケートで「地域住民の合意形成を図っていくことが望ましい」などとして賛否を保留している箕底氏は「自衛隊配備に理解する人の中にも平得大俣に疑問を持っている人は多い。民意を問うて、すっきりさせたほうがよいのではないか」と必要性を認めた。ただ、「署名の集まり具合による。1万5000筆から2万筆集まれば住民投票を実施する意味があると思う」と一定の署名数を条件に挙げた。
箕底氏と同様、平得大俣への配備に「その他」とした米盛初恵氏は住民投票条例について「慎重に検討して自分なりの結論をだしたい」と述べるにとどめた。
市議会の与野党の勢力は議長を除き12対9。公明1氏が退席し、仲間氏が賛成に回った場合は賛否が拮抗(きっこう)する可能性がある。
一方、仲間氏は「配備に伴い、学校へのクーラーと消防設備の整備、本島での子どもたちの宿泊施設など、防衛省の周辺事業や交付金での実施を求めたい。防衛省は着工までに約束しなければならない」と述べ、防衛省の対応次第では配備計画自体に同意しない可能性を示唆した。