災害に強いまちづくり、人づくりなどを目的とした石垣市防災講演会「全市民が防災プロフェッショナル」が7日夜、市民会館中ホールであった。東日本大震災直後から170日余りにわたって避難所の役割を担った南三陸ホテル観洋の女将・阿部憲子氏が「ご縁を大切に~コミュニティーの再構築~」の演題で話し、「避難所として意識したのは、新しいコミュニティーの始まりだということ。震災を通して自助、共助が最も大事だと感じた」と強調した。
同ホテルは避難所運営の間、レストランの営業を再開、運動不足解消に向けた体操やイベント、洗濯ボランティア、子どもたちの学習支援なども実施。阿部氏は「子どもたちは希望の光。子どもの応援は今も続けている」と紹介した。
自助について「地元には津波てんてんこと言う言葉があり、バラバラになって高台に逃げろ、自分の命は自分で守るという意味。津波だけでなくどんな災害でも大切な教えだと思う」と紹介した。
阿部氏に先立ち、「災害対策において我々が直面する課題」をテーマに講演した県国際交流・人材育成財団国際交流課長の根来全功氏も災害時に必要なこととして「自分と家族が生き残るスキルと知識」を真っ先に挙げ、「防災力はこれに尽きる。この後に支援を必要とする人に寄り添う心が大切だ」と述べた。
災害時の外国人支援について「語学力はそれほど重要ではない」と指摘、「何に困っているかは、見ればある程度分かる。ジェスチャーだけでも通じる」と寄り添う気持ちの大切さを訴えた。日本に在住している外国人であれば、相手に確実に伝わる「やさしい日本語」の実例も紹介した。