絵本作家の小林豊氏による講演会と世界の子どもの本展(日本国際児童図書評議会主催)が6日、海星小学校体育館で開かれた。参加した海星学園の園児や小学生130人は、小林氏がこれまで旅してきた体験談を通して世界に目を向けることの大切さを学び、国同士が争わない世界を築くためにどうすべきか考えた。今回の催しは同学園PTA(桃原用壮会長)の研修活動の一環。
小林氏は世界各地を旅し、出会った人々の日常を絵本にしている。代表作「せかいいちうつくしいぼくの村」は、アフガニスタンの小さな村を舞台に、そこで暮らす子どもたちの日常生活を描き、戦争や平和について考えさせられる作品。
講演では「絵本から見える景色」を演題に、アフガニスタンをはじめ、世界各国で出会った人々について紹介。「戦争は、他の国や地域に興味を持たず、孤独になることで始まる」と話し、相手のことを知って、その国に興味を持つことの大切さを紹介。「興味のあることはたくさん調べてほしい。そこからいろいろな方面に可能性が広がり、大事なものが見えてくる」と強調した。
質問コーナーでは、紛争地域での主流なスポーツにバスケットボールやバレーボールを挙げ、「サッカーは競技に広い場所が必要。そこには地雷が埋まっていたりするので、場所を取らないスポーツが盛んだ」と戦争が及ぼす影について説明した。
このほか体育館内には、世界の国と地域57カ所から選んだ48言語の子どもの本を約200冊を展示。子どもや保護者らは、世界の本に親しんだ。絵本から見える世界紹介 海星小で講演