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公園のさらなる利活用を

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 春たけなわである。野や山には、テッポウユリが白い花を咲かせ、センダンがうす紫の花を着けるなど花々が咲き乱れ、若葉がきらきらと輝きながら顔を出す美しい季節の到来だ。

 学校では新学期が始まり、子どもたちの元気な声が青空に吸い込まれていく。八重山郡内の小中高校では、去る4日7日から9日までの3日間、入学式が行われた。このうち、八重山高校、八重山農林高校、八重山商工高校の3高校では「希望と期待を胸に」494人の入学式が開催された。(本紙4月8日)

 また、各職場でも人事異動や新規採用等でフレッシュな顔ぶれがそろい、もの皆生き生きと動きだす心弾む季節である。

 近年は、自然をより身近に感じるライフスタイルがすっかり定着しているようであり、春の陽気に誘われ、花と新緑に囲まれた野山の散策によって自然との触れ合いを楽しむ家族連れが増えている。

 

■地域の資源を再認識

 新石垣空港が開港し、国内、海外からの入域観光客が大幅に増加しており、観光客100万人時代も現実味を帯びてきた。八重山を訪れる多くの人々が美しい自然景観、温暖な気候、歌三線、踊りなどの芸能文化、祭事、伝統工芸品などに魅了されている。

 2011年1月に策定された「沖縄県景観形成基本計画」には、「沖縄の豊かな自然環境や独自の歴史、伝統文化やホスピタリティあふれる県民性などを今後も守り、将来の世代に引き継いでいくためには、県民一人一人が沖縄固有の自然、歴史、文化、暮らしなど地域の資源を再認識し、意識の共有化を図り、地域の中にその活動の輪を広げていく風景づくりの取り組みを着実に育てていく必要があります」と的確に述べられており、県、市町村、NPO、事業者、県民等が協働していく姿勢が強調されている。

 まさにその通りである。この基本計画の精神を絵に描いた餅(画餅)にしないためにも、県は当然のこと、石垣市、竹富町、与那国町3市町行政の役割は大きいし、責任も重大である。

 

■公園施設の有効活用を

 八重山各地には、川平風致公園や観音堂歴史公園など、規模の大小を問わず多くの個性的な公園が整備されていて日頃の散策や学習の場として、また、スポーツを楽しみイベントを開催する場として人々に親しまれている。

 中でも市街地北方に位置し、およそ230㍍の標高の森林400㌶に及ぶバンナ公園は、規模が大きく「自然観察広場」「ふれあい子どもの広場」「蝶園」などが整備されており、地域の人々はもとより、観光客をさらに誘致するイベントなどを積極的に展開する必要があるのではないか。

 また、わが国でも最大規模の海域公園地区を持つ「西表石垣国立公園」は、西表島、石垣島および鳩間島や波照間島など周辺の島々や石西礁湖と呼ばれる海域のきわめて美しい公園として知られており、自然保護に十分留意しつつも適正な利活用に努める必要があろう。

 これからの公園施設は、住民や観光客の皆さんにもっと親しまれる魅力ある施設づくり、親しまれる管理運営に工夫し、地域性を重んじた公園の整備と活用が強く求められている。住民と行政機関が率直で活発な意志の疎通を図りながら、公園の整備と生き生きとした利活用を進めていく努力が求められよう。


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