地方自治法74条1項に基づき、平得大俣への陸上自衛隊配備計画の賛否を問う住民投票条例制定の直接請求に向け、石垣市住民投票を求める会(金城龍太郎代表)は10月31日、署名集めを開始した。条例請求に必要な有権者の50分の1を大幅に上回る1万筆を目標に設定、自治体の憲法と言われる市自治基本条例に基づく請求に必要な4分の1の署名を目指す。9月20日末時点の有権者は3万8740人で50分の1は775人、4分の1は9685人となる。
請求代表者は金城代表ら27人。請求代表者から委任された受任者が11月30日まで署名を集め、代表者がこれを中山義隆市長に提出する。求める会は、400~500人の受任者を確保したい考え。
請求代表者が条例制定請求書とともに市に提出した条例案は、陸自配備計画に関して住民の意思を確認することを目的とし、計画に賛成あるいは反対を選択する内容。投票結果について市長と市議会は「尊重しなければならない」と規定している。
求める会はこの日夜、「市民大署名運動会開幕式」を大川公民館で開催。金城代表は「島の意見を出すための住民投票。政治は世の中を動かし、未来を決める役割があるが、本当に島を動かすのは皆さんや僕たち市民だ。1カ月間の運動会、ポジティブに楽しく頑張ろう」と開幕を宣言した。
請求代表者らも「素晴らしい石垣島を守るために頑張ろう」「4地区だけの力ではどうにもならない。このまま押し切られることに納得できない。市民の意思を確認しよう」「於茂登の裾野は農地として残すべきだ」「4地区だけの問題ではない。石垣島全体の問題」などと述べ、協力を呼び掛けた。
開幕式は、金城代表(28)ら20代の若いメンバーが運動会方式で実施。選手宣誓もあり、参加者を代表して平田誠さん(63)、春口江梨子さん(36)、仲里和樹さん(26)の3人が「素晴らし島で育ててくれた両親に感謝し、これまで島をつくり上げてきた先輩方の思いを受け継ぎ、元気いっぱい笑顔あふれる子どもたちのため、正々堂々、争いあうことなく笑顔で署名を集める」と力強く語った。