■個体の目撃情報呼び掛け
10月29日午後9時50分ごろ、西表島大見謝ロードパーク近くの県道215号線でイリオモテヤマネコの成獣と車両の接触事故が発生した。ヤマネコは道路脇の茂みに入り、負傷の確認ができていない。今年に入ってヤマネコの交通事故は、過去最悪だった2016年に並ぶ7件に達し、西表野生生物保護センターは緊急事態宣言を発令して交通事故防止対策の強化を図る予定。同センターは、足を引きずっている個体も含めヤマネコを目撃した場合は、0980−85ー5581まで連絡するよう呼び掛けている。
同センターによると事故は、島内ツアーガイド業者の運転する自家用車が上原から大原方面に走行中、大見謝ロードパークを過ぎたあたりで発生。ヤマネコが山側から海側に向かって車の前方を横切ろうとした際に車両の下を通過。その時、車両底部で接触したような音が確認されている。
通報を受けて同センターの職員が、現場近くの排水管に入るヤマネコを目撃。排水管出入り口などにセンサーカメラを設置し、付近のモニタリングを継続している。
ヤマネコの交通事故は、記録が残っている1978年以降、今回で87件目。このうち80件で死んだ個体を確認。今年は5個体が犠牲になり、過去最高を上回る勢いで事故が発生しているため、同センターは「出没多発場所、時間、速度に注意して、事故を起こした場合は早急に連絡してほしい」と警鐘を鳴らしている。