ダイビングスポットにおけるマンタとの遭遇率低下に歯止めをかけようと、八重山ダイビング協会(園田真会長、96業者)は9日、マンタ保全委員会を発足させた。同協会によると、マンタの人気ポイントでは近年、マンタと遭遇できないケースが目立ち始めている。この日の委員会では、マンタとの遭遇率がほぼ100%だった状態に戻すことを目標にポイントの利用を調整していくため、ルール・規制をつくって周知徹底を図るとともにダイビングショップの新人向け講習会なども開いていくことを確認した。
石西礁湖ではマンタがホバリングを好む「根」と呼ばれるサンゴ群集のある「マンタスクランブル」と「マンタシティ」の2カ所のスポットでマンタとの遭遇率が高いが、4、5年ほど前から遭遇率が低下しているという。
同委員会は同日夜、環境省国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターで開かれ、同協会の有志ら20人が出席。会長には野底聡さんを選んだ。
会合では、遭遇率を上げる方策として、ポイントを利用しない期間の設定や新たなポイントの開拓などの意見が出された。「ダイビングの利用とシュノーケルの利用を分けた方がいい。水中にダイバーがいるときに、水面でシュノーケリングをすると、マンタも嫌がる」との指摘も出た。
同協会に加盟していない業者への対応についても意見交換し、「現状でもルールはあってないようなもの。非加盟の人たちにルールを守れとは言えない」との声が出た。