【西表】公益社団法人琉球水難救済会(淺野貞雄常務理事)は10日、中野わいわいホールと住吉船揚場で、西表上原救難所(大島佐喜子所長)の所員と西表島のマリンレジャー事業者を対象にしたダイビングやシュノーケリングの安全対策講習会と、自動体外式除細動器(AED)や心肺蘇生法の実施訓練を行った。
講習会と訓練は、特定非営利活動法人(NPO法人)沖縄ライフセービング協会の豊見山明久理事長とNPO法人沖縄県ダイビング安全対策協議会の村田幸雄会長が講師を務め、約40人が参加した。
午前中の講習会では、ダイビングやシュノーケリングの客に説明する注意点と救助方法、シュノーケリングの問題点などを確認。
午後は実際に海に出て救助器具の使用方法について指導を行った。溺れた人を海から助け、車で搬送する間に心肺蘇生法を施す想定訓練もあった。
淺野常務理事は「マリンレジャーは事故が起こる危険性と隣り合わせの世界。事故が発生した場合、最悪の結果を招かないよう、医者に引き継ぐまで命をつなぐことが大切だ」と強調。
大島所長は「シーズン前のいい時期に開催できた。多くの人が参加し、プロとしての責任感や義務感など意識の高さがうかがえた。質の高い連携と適切な処置ができるようにするため、訓練は何回あってもよい。万一の際は迅速な処置をしたい」と話した。
石垣海上保安部によると、管内で昨年1年間にマリンレジャー中に発生した水難事故は18件で、このうち9件が死亡事故だった。