八重山農林高校(渡久山修校長、生徒293人)の校内弁当販売が4月から休止していることが分かった。販売業者によると、営業環境の変化でこれまでよりも運営が厳しくなると判断したのが撤退を決めた主な理由。生徒たちからは「よく利用していたのでなくなって本当に残念」「雨の日など助かっていたので再開してほしい」など復活を望む声も上がっている。渡久山校長は「今のところ再開の予定はない」とした上で、PTAと生徒、学校の3者で方向性を探る考えを示した。(松井弥恵子記者)
弁当販売は生徒たちの食生活の乱れをなくし、栄養バランスのいい安価なメニューを提供しようと2012年10月15日にスタート。当初は2業者だったが昨年4月からは1業者で行っていた。
販売業者は生徒たちから要望のあったパン類を途中から取り入れたり、日替わりで弁当の中身を変えたりと趣向を凝らしながら取り組んでおり、人気も高かった。
■営業環境に変化
販売業者の代表者によると、同校近くにコンビニの建設が予定されていることに加え、今春の新入生の数が102人と少なく、これまでと環境が大きく変わるのが撤退を決めた主な理由。
また、生徒の要望に応えるために学校側との間で行っていた調整や連携がうまくいかなかったことも要因の一つとしている。
代表者は「環境の変化などもろもろのことを含めてシミュレーションしてみた結果、赤字になる可能性があり、リスクが高いと判断した」と話している。
■肩落とす生徒たち
良く利用していたという生活科学科3年の喜舎場藍さん(17)は「今では近くの店に行くのも遠いと感じる。続けてほしかった」、白玉愛香さん(同)は「種類も多く、全部おいしかった。なくなって本当に残念」と肩を落とした。
畜産科3年の金嶺究君(同)は「なくなってがっかり。雨が降った時にすごい助かっていた。復活してほしい」と語った。
■学校側「方向性探る」
1日に就任したばかりの渡久山校長は「今のところ再開の予定はないが、生徒の要望が多いようであれば何らかの形を取っていかないといけないと思う」と述べ、「PTA、生徒、学校の3者で意見を出し合いながら良い方向に持っていけるよう道を探りたい」と語った。