9月30日の県議補選で初当選した自民公認の新人、大浜一郎氏(56)=公明、維新推薦=は1日午前、八重山毎日新聞社のインタビューに応じた。選挙期間中の厳しい表情から一転、穏やかな笑みをみせ、「実感が出てきた」と当選の喜びをかみしめるとともに、「新しい沖縄の振興計画の策定に積極的に関わっていきたい。離島振興を強力にするものを盛り込んでいきたい。これが大事な公約だ」と気を引き締めた。
前日は午後9時から始まった石垣市の開票作業の直後に当選確実が報じられた。「一瞬で当確が出たのでびっくり。当選を感じる間もなくアッという間だった」と慌ただしく過ごした。
帰宅したのは午前2時ごろ。るみ子夫人とビールで一杯だけ祝杯を挙げて就寝。この日も、選挙期間中に習慣化した午前5時半の起床、午前8時から選挙事務所前で同級生ら約10人とドライバーに手を振ってお礼のあいさつ、インタビューで「本当にいろんな方に支えられた。非常にありがたく感じた」と感謝の言葉をくり返した。
一問一答は次の通り。
■選挙戦を振り返って。
与那国など各離島を回った。各種団体、友人知人、地域の方が固まりとなって支えてくれた。いろんな方と握手をした。後半になるにつれて反応が良くなり、期待されていると感じた。いろんな方々と触れ合えたことは、今回の選挙を通して良かった点だ。
■県議としての抱負は。
一丁目一番目は新しい振興計画の策定。あと3年で切れる。次の10年をどうつくっていくか極めて大事な計画となる。これは政府と一体となって策定しなければならない。国と対立してはできないので、県にはきっちり対話をしてもらいたい。県民全体に及んでくるので私たちもバックアップしなければならない。
新しい計画には離島振興を強力にするものを盛り込んでいく。八重山エリアの振興のあり方はどうあるべきか。手がつけられてない課題を抽出し、そこにどう手当てをするか計画を作らなければならない。そのため、市町村を交えて精査する必要がある。
■知事選の結果をどう受け止めるか。8万票の差がついた。
国、県、市町村のパイプを担う佐喜真淳さんが当選できなかったことは非常に残念。結果については、民意として受け止めなければならない。ただ、弔い合戦のムードも大きかったのではないか。私たちは、現実の問題を議論しなければならない。
■辺野古移設がネックになったのでは。
辺野古移設は日米両政府の約束なので、知事としてイエスとかノーとかは、なかなか言えない。普天間は動かすにはどうするのか。県は行政手続きに問題がなければきちっと対応しなければならない。普天間飛行場の移設を「新基地建設」とするイメージ戦略もあったのではないか。基地縮小の話は当然しなければならない。保守としては、現実的に対応することが早く進む道だと思う。県の埋め立て承認の撤回は今後、裁判になるだろう。司法の判断に従うしかない。