おぞましい報道にふれて気がめいった。先週25日付「離島防衛に超音速滑空弾」「石垣島などに配備か」である▼滑空弾とはミサイルで高高度に打ち上げられ、超音速で攻撃する弾頭という。第三国に離島が占領された場合、日本版「海兵隊」と呼ぶ陸上自衛隊水陸機動団が上陸して奪還する戦略だが、事前に滑空弾で占領部隊を対地攻撃する▼「奪われる島」とはどこか。上陸すれば撃つ、という態勢を整えておくべき島とはどこか。容易に想像できるのは尖閣だろう。もともと石垣に配備される想定の陸自部隊の攻撃能力は地対艦ミサイルである。これも島々に近づけば撃つ、という態勢▼とすれば、島を奪おうという意図を持つ第三国が真っ先に狙うのはどこか。ミサイルや超音速滑空弾、攻撃能力を持つ石垣島と宮古島に他ならない。つまりは「標的の島」だ。陸自配備をすれば、こうなるのがものの道理▼島から島を撃つ。あるいは撃たれる。住民の存在などない。想像するだにおぞましい。「国の専権事項」という思考停止は、こんな現実を招きかねない▼命どぅ宝。新基地はいらない。これぞ沖縄のアイデンティティー。県知事選は圧倒的な差、翁長さんを超える最多得票でその遺志を継いだ。まっとうな国ならば民意を受け入れよ。それが民主主義だ。(慶田盛伸)
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