石垣市区(欠員1)の県議補選は9月30日、石垣市と与那国町で投票が行われた。27日に繰り上げ投票があった竹富町を含む3市町で開票が行われた結果、自民公認の新人で会社代表の大浜一郎氏(56)=公明、維新推薦=が1万3943票を獲得、無所属新人で前石垣市議の﨑枝純夫氏(63)に5148票差をつけた。農業生産法人有限会社会長の金城利憲氏(63)は支持を拡大できなかった。投票率は前回を68・02%だった。
補選は、ことし3月の市長選に出馬した前県議の砂川利勝氏の辞職に伴うもの。保守側が1議席を確保する従来の構図に収まった。
選挙戦で大浜氏は、県知事候補の佐喜真淳氏とセット戦を展開、自公維などの組織力を生かし、有利に展開、幅広く支持を集めた。
「島民の暮らし、最優先」をスローガンに経済政策を全面的に打ち出した。国際観光としてのインフラ整備、経済振興による島民所得の向上、一括交付金制度継続の提起を訴えた。
最大の争点となった米軍普天間飛行場の辺野古移設の是非について「司法の判断に従う」と述べるにとどめ、街頭では言及しなかった。
一方、﨑枝氏は、知事選の玉城デニー氏の当選を第一の目標に立候補。辺野古新基地阻止、平得大俣への陸自配備阻止を前面に掲げ、自転車で地域をくまなく回る〝どぶ板選挙〟を展開、終盤に勢いを得たが、及ばなかった。出馬表明が告示3日前と大幅に出遅れたことも影響した。
金城氏は独自の戦いを展開したが、浸透しなかった。
大浜一郎(おおはま・いちろう)氏。1962年3月7日生まれ。石垣市石垣。青山学院大学経済学部卒。㈱石垣エスエスグループ代表取締役社長。八重山経済人会議代表幹事。