新県立八重山病院に10月1日から歯科口腔(こうくう)外科が新設される。歯科専門の仲間錠嗣医師(41)と歯科衛生士2人がチームで口腔外科疾患の治療やケアにあたる。1日付で着任する仲間医師は、生まれつき上唇などが開いた口唇口蓋裂という症状の専門。「これまで沖縄本島の病院で受けていた治療もできる限り八重山で完結させたい」と抱負を語る。
同科は、抜歯、あごの骨折、顔面骨折、口腔内の腫瘍など歯科口腔の外科部門として手術や治療を行う。局部麻酔以外に全身麻酔での治療、開業歯科では対応できない症状や障がい者の歯科治療も行う。
科の新設に合わせて、県立病院では2番目の「歯科パノラマ撮影機器」を導入。コンピューターによる断層撮影で歯茎の神経や血管を鮮明に写し出し治療につなげていく。
宮古病院、南部医療センター勤務時代から月に一度、八重山病院で出張診療をしてきた仲間医師。「院内・院外口腔ケアの普及、開業歯科で困った症例などさまざまな疾患にも対応できるよう努めたい」と意気込む。
仲間医師を支えるのが、歯科衛生士の粟國文恵さん(33)と波照間克子さん(55)の2人。チームでがっちりとスクラムを組み患者をケアしていく。粟國さんは「口の中を清潔にして肺炎や感染症のリスクを防ぐため、口腔内の管理の大切さを患者さんに伝えていく」、石垣市大浜出身の波照間さんは「離島医療のハンディを乗り越えて、圏域の住民が安心して受診できる歯科口腔外科を目指したい」とそれぞれ力強く話した。