県立八重山病院は30日午後、10月1日に開院する新病院への引っ越し作業を行い、新生児から高齢者まで入院患者約130人を、病院スタッフや医療機関などからのボランティア計210人を動員し、新施設に移送する。所要時間は午後1時~6時を予定している。新八重山病院引っ越し実行委員会(上原真人委員長、会員70人)は分単位で移送計画を建てており、地域住民に対し「スムーズな引っ越しに向けた配慮や協力をお願いしたい」と理解を求めている。
患者移送は当初、沖縄本島からの応援40人を加えて行う予定だったが、台風24号の影響で地元スタッフのみで対応する。
車いす用車両14台、救急車両3台、マイクロバス1台を使用し、患者1人に1~3人のスタッフが付き新病院へ移動させる。
29日午後、院内では新病院への物品搬送作業が進められ、廊下には梱包(こんぽう)された資料などが並び、運送業者がトラックの荷台に積み込む姿があった。
30日は、診療に対応できる医療スタッフや機器が制限されるため、現病院では▽救急車両搬送患者▽出産―のみ対応。軽症患者などは、八重山地区医師会に協力を仰ぎ診療してもらう。
今回の引っ越しは、2013年に行われた宮古病院の引っ越しを参考に計画が練られ、当時を経験したスタッフ6人も参加。その一人でもある上原委員長は、事故で急患が増えると人員が割かれ、移送に支障が出ることを心配。「ケガや事故など、リスクを回避できるものは避けてほしい」と呼び掛けた。