悪質な客引き行為や路上寝が常態化する美崎町の風俗環境を改善しようと、八重山地区安全なまちづくり推進協議会(会長・中山義隆石垣市長)は26日夜、美崎町で総決起大会を行った。関係機関やボランティア団体などが参加し、美崎町一帯でチラシなどを配りながらパレードを行い、安全に楽しめる風俗環境づくりの機運を高めた。
同決起大会は、全国地域安全運動(10月11~20日)を前に、郡内最大の繁華街である美崎町の環境を浄化するため昨年から行っており、ことしで2回目。
中山義隆市長はあいさつで「多量飲酒は郡民の健康のみならず治安にも悪影響を与え、八重山観光のイメージダウンにつながりなかねない。地域住民にとっても観光客にとっても安全な環境にする必要がある」と訴えた。
八重山署によると、管内のことしの刑法犯認知件数は、20日現在で230件(前年同期比16件減)と、前年より減少傾向だが、客引き行為の検挙は、昨年の年間2件に対しことしは既に3件。上半期(1~6月)の路上寝通報件数は、252件(前年同期比7件減)と依然として県内他地域と比べ多い状況。
八重山署の与那嶺一文署長は出発式で「過去には管内で、暴力団員が美崎町の飲食店に対しみかじめ料を請求する恐喝未遂事件や、18歳未満の少年を深夜に働かせる法律違反などもあった。現状を放置すればそのような事案の発生も懸念される」と警鐘を鳴らした。
同署生活安全課によると、夏休み時期は少年の犯罪や補導が多いが、秋は成人の飲酒絡み事案が増える傾向にあるという。
同課職員は「繁華街の環境悪化は、暴力団や、暴力団に属さないが組織的に犯罪行為を繰り返す半グレと呼ばれる集団の介入を招き、資金源にもなりかねない」と懸念を示した。