1年の豊作と住民の無病息災に感謝し、来年の弥勒世を祈願する川平最大の祭り「結願祭」(川平公民館主催)が17日午後、群星(ムリブシ)御嶽で行われ、住民総出で八重山最古と言われる獅子舞や、棒の演武、狂言などを奉納し、地域の団結を強めた。
祭は午後1時に開始。炎天下、弥勒を先頭に出演者らが境内を一周し場を清めた後、地区内の四つの御嶽(群星、山川、宮鳥、浜崎)の神司4人の前で、各種奉納が次々と繰り広げられた。青年らが互いの鎌棒や刀棒を勇ましくぶつけあう奉納では、演者の迫力ある掛け声と観客らの歓声が境内に響いた。
同公民館によると、約500年前に川平村の海岸に獅子頭の入った箱が流れ着いたことから獅子舞が始まり、八重山郡内に広まったという。伝統の獅子舞では2頭の獅子がリズミカルに境内を歩き、神司にお辞儀した後、玉で遊んだり、観客を威嚇したりして、生き生きとした動作で観客を楽しませた。
ことしは同公民館結成90年目にあたり、公民館は記念事業として舞台幕を新調。後半の舞台奉納では新しくなった幕を背景に、アッコンプル狂言や川平口説、川平鶴亀節など舞踊が披露された。
髙嶺善伸公民館長は「川平景観地区をしっかりと守りつつ、新しい観光産業、農業と暮らしが共存する地区として発展させたいと決意を新たにしている。昔からの団結協調の心は変わらず、ことしの結願祭も盛大にできることは最も誇りとするところ」とあいさつした。