夏真っ盛り。商店街では大勢の観光客が買い物を楽しむ姿が。しかし土産店よりもなぜか、にぎわっているのがコンビニエンスストア。若者や家族連れが特産品などを買い求めている▼「石垣島ってコンビニもマックもあるんだ」と観光客の会話。そういえば島にコンビニができたのはいつだっただろうかとふと考えた▼美崎町に「ホッパー」の愛称で親しまれたホットスパーがオープンしたのが24年ほど前。その後2007年に参入したココストアと名称が変わり、現在では21店舗に増えた。10月には県内最大のコンビニチェーン沖縄ファミリーマート4店舗が進出、年度内に15店舗の出店を予定しておりコンビニ競争はさらに激化しそうだ▼「つい寄ってしまい、定価だと分かっていても買ってしまう」というのがコンビニの魅力?「だけど多すぎない?島の商店は大丈夫かねー、いまに離島にもできるはずね」と憂慮する人も▼ここ数年、大型スーパーやマンション、居酒屋と物や人の流れがだいぶ変わり都会化したと思う。ほとんど何でも手に入るようになったし、那覇に出掛けても以前のように島にない土産を買うのに苦労する▼確かに便利になった島の発展を喜ぶべきかもしれないが、八重山ならではの景観や自然、文化、魅力が失われていく寂しさは否めない。(辻本順子)
夏真っ盛り。商店街では大勢の観光客が買い物を楽しむ姿が…
ついに登場
▽…夏の甲子園に、ついに石垣第二中学校出身の安里健選手が登場。沖縄尚学の四番打者だ。作新学院(栃木)との手に汗を握る攻防に、安里選手の祖母、サチさんは「健!ちゃんとボールを見ないか!」とテレビの前で興奮。人を熱くする甲子園。八重山から再びこの大舞台に立つ学校が出てくることを期待したい。
▽…年間6億円の売り上げ目標を掲げたJAファーマーズマーケットやえやま「ゆらてぃく市場」。県内6店舗全店で売り上げ計画を達成したことから、JAおきなわでは理事長賞を設置し、砂川博紀理事長が金一封を各生産者会に贈った。砂川理事長は「八重山では6億円といわず、7億円を目指してほしい」と好調なゆらてぃく市場に期待する。
西表郷友会が2連覇
2014年度第34回八重山郡民体育大会軟式野球競技(八重山郡体育協会主催)は17日、石垣市中央運動公園第二野球場で準決勝と決勝の3試合を行い、決勝は西表郷友会が大川字会を5ー2で下し、2連覇を果たした。
決勝で西表郷友会は0ー0で迎えた四回裏、相手投手の制球の乱れや守備陣の失策などで一挙5点を挙げた。五回表には2点を返されたが、そのまま逃げ切った。
西表郷友会の根間翔次朗主将(29)=西表祖納出身=は「みんな住んでいる所が違い、練習もほとんどできていなかったが、西表島の郷友という絆がチームワークを強くした。試合をお祭りと称して楽しみ、ピンチの時も笑顔で乗り越えた。来年も3連覇できるよう頑張りたい」と話した。
結果は次の通り。
【決勝戦】
大川字会
00002|2
0005×|5
西表郷友会
(90分ルール)
(大)弓場、後上里−大浜
(西)池田、前泊−豊見本、鬚川
工作でふれあい、楽しいね
第27回「親子ふれあい手作り広場」(八重山毎日新聞社主催・㈱メイクマンなど協賛)が17日、メイクマン石垣店で開かれた。午前の部には89組が参加し、シーサーの貯金箱作りやカンカラ三線作り、折り畳みいすなどの木工工作を楽しんだ。
シーサーの貯金箱作りには24組合わせて43人が参加。子どもたちは無地の貯金箱にしっくいの粘土で目や鼻などを付けていき、かわいらしいシーサーの貯金箱を仕上げていった。
Tシャツの絞り染めもあり、参加者らは、出来上がった作品とともに写真を撮るなどしていた。
シーサーの貯金箱作りを楽しんだ石垣小1年の長山琴遥(こはる)さん(7)=石垣市新川=は「しっくいを使うのが難しい。完成したら宝物をたくさん入れたい」と満足げ。一緒に参加した母親の琴美さん(36)は「去年も参加した。家ではできないことなので、このようなイベントがあってうれしい」と話した。
中学は請盛(男子)、椎本(女子)が初優勝
第18回石垣島ジュニアトライアスロン大会(主催・石垣市体育協会)が17日、市中央運動公園と外周で開かれ、小学1年生から中学3年生まで総勢233人がスイム、バイク、ランによる個人部門と3人一組のリレー部門で熱戦を展開した。中学生の部は男女8人が出場し、男子は請盛友樹(大浜中・13)、女子は椎本結衣(同・12)がそれぞれ初優勝を飾った。会場には、家族や学校関係者など大勢が応援に駆けつけ、選手たちに声をかけながら背中を後押しした。この日のレースコンディションは、スタートの午前8時時点で天候が雨、気温は26・3度、南南東の風6・7㍍。雷注意報が発令された影響でスタートが約17分遅れた。
【個人】
〈小学校〉
▽1年男子=①中村勇槻(12分26秒)②請盛渚(12分59秒)③伊良部昴(13分21秒)
▽同女子=①具志堅陽和(12分5秒)②岩田つぐみ(12分43秒)③松田琉璃子(13分10秒)
▽2年男子=①成田涼太(10分20秒)②池田丞(10分42秒)③平田謡大(11分8秒)
▽同女子=①大立きら(12分50秒)②山里優美(13分37秒)③宮良紗英(13分53秒)
▽3年男子=①伊良部滉(17分47秒)②増田健琉(19分38秒)③波照間永太朗(20分12秒)
▽同女子=①小松海遥(19分48秒)②岩田琉奈(19分52秒)③請盛沙季(20分25秒)
▽4年男子=①村山颯一(17分2秒)②山田太朗(17分49秒)③南風盛蔵丸(18分38秒)
▽同女子=①新谷希乃風(16分38秒)②具志堅陽咲(16分57秒)③大道あかり(17分4秒)
▽5年男子=①江村蒼(23分47秒)②奥田拓夢(24分20秒)③高濱一童(24分42秒)
▽同女子=①山本彩加(26分19秒)②大嵩凛佳(35分13秒)③砂川優(36分6秒)
▽6年男子=①又吉克樹(25分51秒)②前泊和希(27分41秒)③石仲諒翔(28分44秒)
▽同女子=①大道朱夏(28分13秒)②大道妃夏(29分15秒)③大浜朋笑(34分1秒)
〈中学生〉
▽男子=①請盛友樹(36分20秒)②石塚美南海(36分28秒)③請盛光(37分34秒)
▽女子=①椎本結衣(44分39秒)
【リレー】
〈小学生〉
▽1・2年=①カレミ(砂川かの、崎浜琉煌、福里澪)11分35秒②平真ボーイズ(石垣政翔、松川優育、保里拓夢)14分11秒
▽3・4年=①ファイヤーキッズ(宮良なの花、平野素土、棚橋響)18分36秒②碧い空に翔べチーム3(スリー)(中村碧、山崎空羽、武當勇翔)19分55秒③かびらっ子3・4年生(石垣花緒、林真永、林晃永)20分39秒
▽5・6年=①海星5年生チーム(西山平蔵、栽龍之進、五島信太郎)28分46秒②海星47(安田光希、黒島朗仁、玉代勢桐人)29分3秒③チバルンジャー(真栄田義仙、与那原鼓南、与那原聖南)30分56秒
〈中学生〉
①二中3年チーム(宮良長幸、新城徳人、山城利公)33分8秒
ファミマ10月10日にオープン
石垣島への出店を準備している沖縄ファミリーマート(大城健一代表取締役社長)は10月10日、石垣市の大川と平得、真栄里の4カ所で最初の4店舗をオープンさせ、11月上旬には同新川と登野城で2店舗をオープンさせる。本紙の取材に同社広報は「11月以降も順次オープンさせる」と答えた。沖縄ファミマが出店時期や場所について具体的に明らかにしたのは初めて。同社は、来年2月までに市内で15店舗を出店する計画。(砂川孫優記者)
■雇用は三ケタ
沖縄ファミマによると、10月に▽730記念碑前店(大川)▽石垣ゆいロード店(石垣)▽石垣市中央運動公園前店(平得)▽石垣八重山支庁前店(真栄里)—の4店舗を同時にオープン。
11月上旬には▽石垣新川シード店(新川)▽石垣登野城仲道店(登野城)—をオープンさせる。
製造から配送までを一元化する中食・パン工場・物流センターは建設が進んでおり、9月末までに完成の予定。
雇用は、10月の4店舗で最大80人、同センターで約100人を見込む。
ファミマののぼりなどを見て出店予定地を知ったという久松ひとみさん(49)は「仕事や家事などで日々忙しい。(ファミマの)ATMや航空チケット機能が充実しているので利用する。(どのコンビニを利用するかは)主婦層は利便性を考えて決めると思う」と語った。
■話題持ち切り
毎日コンビニを利用しているという大海月(みつき)さん(14)は「オープンしたら絶対に行く。学校ではどこに、いつ出店するかの話題で持ち切り。どんな食べ物があるか楽しみ」と笑顔。
笠原未来(さき)さん(13)は「ファミマがたくさんオープンすれば石垣島がコンビニだらけになってしまう。先行きは不安です」と心配した。
沖縄ファミマ広報・マーケティング室の比嘉智室長は「石垣島に出店するからには、多くの地元の方々に働いてほしい。今後の出店計画は、地主やテナント管理者、オーナー側との契約も進んでいる」と話した。
「このまま勝ち続けて」
17日に行われた第96回全国高校野球選手権大会の沖縄尚学の初戦には、石垣第二中学校出身の安里健選手(3年)が4番・三塁手で出場、祖父、光雄さん(80)と祖母、サチさん(75)は石垣市新川の自宅でテレビ観戦し、孫の活躍に声援を送った。
安里選手は四回裏、1死一塁の場面で2打席目を迎え、初球の外角の直球を右前にはじき返し、一、三塁とチャンスを広げた。安里さん宅では光雄さんらが「おー」と歓声を上げた。
沖縄尚学はこの後、5番の久保柊人選手の内野ゴロの間に西平大樹選手が三塁から返り、追加点を挙げた。
安里選手は六回裏には、1死三塁から初球の変化球を打ち返し、三塁から中村将己選手を迎え入れ、1打点を挙げた。
試合後、光雄さんは「見応えのある試合だった。健はまだ半分の力も出せていないようだ。実力を出し切り、このまま勝ち続けて決勝までいってほしい」、サチさんは「最高の試合。次の試合では本塁打を打ってほしい。決勝戦は甲子園でパーランクーを持って応援したい」と話し、孫の活躍を喜んでいた。
曽根田さん(祖納)が最優秀賞 地区婦人の主張大会
八重山三市町婦人連合会(金城綾子会長)主催の「第5回八重山地区婦人の主張大会」が17日午後、大川公民館で開かれ、石垣市と竹富町各単婦から7人が出場。審査の結果、「地域あげての避難訓練に守られて」をテーマに熱弁を振るった曽根田容子さん(祖納)が最優秀賞に輝き、友利里枝さん(新川)、東信子さん(宮良)が優秀賞を受賞した。曽根田さんと友利さんは、9月19日に那覇市の琉球新報ホールで開かれる中央大会に出場、東さんは原稿審査で参加する。
同大会は、日常生活で地域が抱えている課題や婦人会活動、防災など諸問題の解決に向けて意見を発表し、女性の地位向上や男女共同参画社会の実現を目的に毎年開催されている。
7人の発表者は、仕事や家庭、地域の課題などをテーマにそれぞれの思いや意見を堂々と発表。最優秀賞の曽根田さんは、地元公民館が実施する避難訓練の重要性を取り上げ、「訓練を行うたびに住民の防災に対する意識が変化。訓練で見えた課題を行政に要請することで整備が実現した。海に囲まれた島なので、家族や地域を守る避難訓練は重要で発見がいっぱいある。すべての集落に広がってほしい」と訴えた。
受賞後、曽根田さんは「(受賞は)地元の方々の協力のおかげ。どの地域でも防災訓練は役立つことなので、その重要性を中央大会でも訴えたい」と意気込んだ。
会場には、各婦人会の会員や市民約200人が訪れ、発表者の意見に真剣な表情で耳を傾けていた。
まとまった雨はいつ?
▽…石垣島では17日午前に雨が降ったが、農業用の石垣ダムの水位を回復するだけの雨量にはならなかった。石垣島土地改良区によると、18日現在、水位は若干下がったという。まとまった雨がほしいが、あいにく週間天気はおおむね晴れの予想。農家は「片降りでもいい」とワラにもすがる思い。
▽…改正無償化措置法に沿って東京書籍の中学校公民教科書を採択した竹富町教育委員会。現場の教員に調査研究を依頼し、順位付けにこだわったが、慶田盛安三教育長は「育鵬社が高い順位だったらどうしようかと思った」と不安もよぎったとか。公民は7社の教科書から選定された。育鵬社を含め各社の順位付けがどうなっていたのか気になるところ。
▽…カウアイ郡に派遣されるのを前に中学生3人が漢那副市長を訪問した。このうちの一人、小菅志音さんはこの日が15歳の誕生日で市職員から「おめでとう」と祝福された。3人は「カウアイと石垣島の懸け橋になれれば」と抱負。言葉の壁にも「そこは若さでカバー」と意気込んだ。
自転車で転んだ。道路路側帯に落ちていた…
自転車で転んだ。道路路側帯に落ちていたフクギの実を踏んで滑った。人目を気にして逃げるように去ったが、尻が痛い▼地域を守り続けた大事な木だが、子どものころからフクギを好きになれなかった。屋敷の防風木としては最適で、虫もあまりつかない。木の上に小屋を造って毎日遊んだが、夏から秋にかけて黄色の実が落ち、強烈な臭いがする▼放置すると銀バエがたかり、人が来ると「ブーン」と、ものすごい音をたてて飛び立つ。このため、多くの家庭がフクギの実片付けを日課としていた。実を放置すると、近所迷惑になっていた▼時が流れ、街は大きく変わった。石垣に代わってブロック塀が主流になった。県内でもフクギ並木が残っている地域は本部町の備瀬など一部。赤瓦の木造家屋に石垣、フクギの3点の風情がなくなったのは残念だ▼しかしフクギは道路植栽で残った。昔のイメージの景観に対する思い入れが強いのだろう。だが街路樹として普及させるには疑問。なぜなら道路行政の現状は、予算不足で管理が十分にできないからだ▼フクギは大量に落実があり、清掃をまめにしないと、バイクや自転車の事故を誘発しかねない。さらに衛生害虫の発生要因にもなる。実際に実を踏んで転んだり、ヒヤリとした人は少なくないかもしれない。(黒島安隆)
真喜良、高学年2連覇 JC杯少年野球大会
第36回JC杯少年野球大会(主催・一般社団法人宮古青年会議所)の決勝戦が18日、宮古島市で行われ、昨年に続いて低学年、高学年ともに八重山勢が大会を制覇した。高学年の部は真喜良サンウェーブが少年武蔵(八重山)を6|1で下し、2連覇を達成した。低学年の部はブルースネークが城辺A(宮古)を13|1で圧倒し、29回大会以来2度目の優勝を飾った。
大会は17日から2日間、宮古島市民球場など4会場で行われ、先島地区の高学年14チーム、低学年16チームで争われた。八重山からは8チームが出場した。
高学年の殊勲賞と活躍した選手に贈られる丸勝賞には、真喜良サンウェーブの高良真心(11)が選ばれた。
低学年の殊勲賞は、ブルースネークの照屋竜輝(9)、丸勝賞に平良駿介(9)、打撃賞に豊川敢大(10)=打率5割=が輝いた。
真喜良サンウェーブは18日午後、石垣島に帰島。ブルースネークは19日午後、帰島する。
農家、給水車をピストン運行 農業用水停止
平喜名揚水機場の落雷被害で農業用水の送水が停止している地域では、農家が農業用給水所を車で往復して対応している。サトウキビ農家では、夏植えの時期を揚水機場が復旧する9月に延期するなどの対策を取るケースも出ている。送水がストップした14日以降もまとまった雨が降っておらず、石垣島土地改良区は引き続き、給水所の活用や節水を呼びかけている。
宮良地区で肉用牛150頭を飼育する畜産農家によると、1日に使う水の量は5~6㌧。車両2台で三和・川原地区近くの給水所をピストン運行して確保しており、「頭数が多いところはもっと大変だろう。揚水機場では代わりのモーターを持ってくることはできないか」と話した。
200㍑のタンクで給水所を毎日10往復しているという畜産農家は「もう大変。復旧が遅れないようにしてもらいたい。最低でも予定通りの復旧を」と訴えた。
一方、16日から石垣ダムの配水圧抑制でスプリンクラーが使えなくなっている地区では、水稲のほか、サトウキビを生産する男性(48)が「時々雨が降っているので、キビは今のところ大丈夫だが、今後が心配なので、夏植えはスプリンクラーの水が使えるようになってからにしようと考えている」と話した。
石垣島地方気象台によると、14日から17日までの降水量は盛山で8.5㍉、登野城で5.0㍉。沖縄気象台の発表によると、沖縄地方の週間天気予報(19―25日)はおおむね晴れの見込みで、降水量は平年より少ないとの予想。八重山地方では21日が晴れ一時雨の予報で、50%の降水確率となっている。
「懸け橋になりたい」 カウアイ派遣の3人
石垣市の派遣事業で20日から姉妹都市のハワイ州カウアイ郡を訪問する中学生3人が18日午前、出発を前に市役所を訪れ、「懸け橋になりたい」などと抱負を語った。
6月に行われた市長杯中学生英語弁論大会で上位入賞した東大浜諭君(石垣中、15)、前三盛ひまりさん(石垣第二、14)、小菅志音さん(伊原間中、15)の3人が20日から10日間、カウアイ郡の中学校などで研修や異文化交流に参加する。
東アジアなどに旅行経験のある東大浜君は「英語圏の国に行くのは初めて。自分の語学力がどこまで通用するかを試し、石垣島の魅力を世界に発信できる
第一歩にしたい」と話した。
兄に続いて派遣される前三盛さんは「初めての海外で不安はあるが、ホームステイ先の人と仲良くなり、自分が通う学校との違いや文化を学びたい」と意欲的。
母がベトナム人で海外を身近に感じているという小菅さんは「互いに観光地なのでカウアイの良さを見つけ、懸け橋になれるよう頑張りたい」と語った。
漢那副市長は「カウアイ郡とは長い伝統があるので、若い感性で姉妹都市の文化を吸収してきてほしい」と激励した。
派遣事業は2004年8月にスタートし、今年で11回目、36人目となる。
東京書籍を採択 中学公民教科書で竹富町教委
竹富町教育委員会(大田綾子委員長、委員4人)は18日午前、石垣市内で臨時会を開き、町立小学校および中学校教科用図書採択審議会(会長・慶田盛安三教育長、委員8人)の答申通り、現在使用している東京書籍版の中学校公民教科書を採択した。改正無償化措置法の一部施行に沿った採択手続きが取られたため、中学校公民教科書についても来年4月から無償化される。9教科11点の小学校教科書も答申通り採択した。
中学公民教科書は2012年度から14年度まで、教科用図書八重山採択地区協議会が選定・答申した育鵬社版ではなく、町教委が採択した東京書籍版を使用しており、これまで無償化措置法の対象外とされてきた。
同法改正の一部施行に伴い、単独地区として採択手続きを行えば無償化措置法の対象となるため、小学校教科書と同時に採択した。
今回の採択手続きでは、各学校に教科を振り分け、それぞれの教科について教職員3人を調査員として調査研究させた。審議会は調査員が順位付けを行った報告書を審査、教科書を選定・答申していた。この日の臨時会では、順位付け上位の教科書を採択した。
定例会終了後、慶田盛教育長は「単独地区となったことで順位付けに沿って教科書を選定していくという当たり前の手続きを取ることができた。現場の教員に教科書を調査研究してもらうことで、学校現場の授業にもその成果は生かされる」と期待を込めた。
町教委は採択結果を県や町内各小中学校に報告し、今月中にも需要冊数をとりまとめて再度、県に報告する予定。このうち中学校公民教科書は40冊(7月末時点の中学校2年生徒数)となっている。
初の90%超え 市税徴収率
石垣市の市税(市民税、固定資産税、軽自動車税)の徴収率が2013年度、92.1%となり、初めて90%を超えたことが、納税課(石垣英邦課長)のまとめで分かった。前年度から3.2ポイント上昇し、伸び率も過去最高。同課では、給与の差し押さえを152件行うなど、滞納処分を強化したことが要因としている。部課長らで構成する市税徴収対策本部(本部長・漢那政弘副市長)は1995年度に設定した目標90%を19年目にして達成、14年度は県内11市平均の93.7%を目標に掲げている。
13年度の市税は調定額50億9502万円に対し、46億9290万円の収入があった。徴収率は現年度分で97.2%(前年度95.6%)、滞納繰り越し分で45.4%(同29.4%)だった。
13年度は滞納繰り越し分の徴収率が大幅に向上した。同課によると、税負担の公平性の観点から納税折衝と滞納処分を強化したためで、督促状発送から20日が経過しても完納しない滞納者に対して行う滞納処分については、換金につながりにくい不動産より、滞納分に即充当できる上、完全回収も見込める給与の差し押さえを優先した。
この結果、09年度以降12件にとどまっていた給与の差し押さえは13年度だけで152件となり、全差し押さえ件数457件の33%を占めた。差し押さえ前の給与照会だけで自主納付につながったケースも多かったとして、同課は「引き続き給与を優先した差し押さえを展開する」としている。
同本部はこのほど14年度会議を開き、「滞納者を納期内納税者に」をモットーに今後の方針を確認。各地区や法人ごとの班体制を確立し、班ごとの滞納額の圧縮表を活用して徴収業務に当たることにしている。
待ち時間解消?
▽…南ぬ島石垣空港の展望デッキから見えるウミガメの姿に似た「亀石」。白保の地域住民に聞くと「亀の形をしているから誰でも知っている」と話す。地元漁師によると、亀石付近の海域は海藻類が多く収穫できる場所として、知る人ぞ知るスポットだという。空港利用者には「亀石」探しを行ってみてはいかがだろうか。待ち時間の解消になるかも。
▽…サツマイモの品種「沖夢紫」の生産拡大に伴い、加工施設の導入の検討を始めた石垣市甘しょ振興協議会。10月に予定している先進地視察の訪問先としては、安納(あんのう)芋で有名な種子島が有力。安納芋は、サトウキビ収穫後のほ場で栽培されているという。沖夢紫もサトウキビの輪作作物として有望視される。
▽…告示まで2週間を切ったものの、いまだに新人3人が出馬を「検討中」としている竹富町議選。新人だけに、立候補した際の支持基盤となる家族や友人、血縁との調整もあるようだが「百条委員会の行方を見守りたい」という人も。職員の多くも百条委の報告内容と今後の展開が気がかりな様子で、22日の臨時議会本会議が注目されている。
昨日は語呂合わせで「バイクの日(8・19)…
昨日は語呂合わせで「バイクの日(8・19)」だった。総務庁(現内閣府)が1989年に交通事故撲滅を目的に制定し、全国で各種の交通マナー向上活動が展開されるようになった▼手軽に移動できるバイクは通学、通勤、買い物などの足でもあり、生活の一部にもなっている。愛好家にとっては真夏の太陽の下で、海岸線を風をきってのツーリングは爽快であろう▼一方で運転者の操作一つで「走る凶器」にもなる。猛スピードでの暴走行為は、技量の限界を超えて、生命は突っ走るバイクにほんろうされる。若者がバイクを運転して楽しさを得ること自体は悪い事ではない。それが暴走という無謀な運転につながることが怖いのだ▼県内では7月末現在、28人が交通事故で死亡、うち9人は二輪乗車中だった。事故原因も7人が速度超過やハンドル、ブレーキ操作ミスによる単独事故でうち3人は飲酒運転によるもの▼最近は、さっそうとした女性ライダーが増えているが、服装には気をつけたい。過去には、フレアスカートが風でめくれたのをうっかり手で押さえようとして、転落するという事故もあった▼国内では、中高年層が回帰する「リターンライダー」も増えている。交通ルールを守ってこそ真のライダー。バイクはさわやかな風を受けて安全な走りを楽しみたい。(鬚川修)
石垣もミサイル配備か
■3市町議員選の争点
来月7日投票の3市町議員選まで3週間を切り、予定候補者の動きが一段と慌ただしくなっている。3市町はそれぞれに大きな争点があるが、自衛隊配備の是非もその一つだ。防衛省が配備を明言している石垣市は、まだ正式な要請はないが、新たに選出される議員は4年の任期中に自衛隊配備の是非に判断を迫られる可能性は高い。
与那国町は既に配備に向けた工事が進んでいるが、今回の選挙結果で計画がさらに加速するのか、一定のブレーキが掛かるかが焦点。竹富町は直接配備計画はないが、郡内に配備されることで影響は否定できない。
これまで「災害救助」を前面に支持を得てきた自衛隊も、今回の集団的自衛権行使容認で戦地に派遣され、互いが互いを殺し合う“戦争する集団”に変容する。そういう軍備強化に郡民はどういう反応を示すか。安倍内閣は閣議決定後支持率が続落している。
■奄美はミサイルも配備
中国を念頭に2018年度までの中期防に南西諸島への自衛隊配備を盛り込んだ防衛省は去る5月、与那国の陸自沿岸監視部隊着手に続き、6月には武田良太副大臣が宮古島市を訪ねて下地敏彦市長に陸自警備部隊の配備を要請。
さらに今月12日には同副大臣が奄美大島の奄美市と瀬戸内町に同部隊の配備を要請した。地元と調整中と報じられる石垣市には中山市長によると「石垣市にはまだ話は来ていない」が、防衛省は15年度予算に調査費を要求するとしており、近く具体化は必至。
奄美では両市町に計約550人規模の陸自警備部隊を配備すると同時に、地対空・地対艦誘導弾(ミサイル)も配備する計画という。石垣も同様に配備の可能性は十分だ。
もしミサイルが配備されれば有事の際真っ先にミサイル攻撃を受ける可能性は否定できない。以前から「小さな観光の島に軍隊は似合わない」と指摘してきたが、そこに地対空・地対艦ミサイルまで配備されると尖閣をめぐる一触即発の日中関係の中で観光産業にはリスクとなり、八重山の産業経済は大きな打撃を受けかねない。
■軍事基地で風評被害
沖縄は基地があるため、01年9月の米同時テロで大きな打撃を受けた。「報復攻撃を受ける恐れがある」との風評被害で修学旅行を中心に観光客約24万人余がキャンセルし、観光収入は230億円も減となった。
それは基地のない八重山にも及び、市観光協会などは本土各地にキャラバン隊を派遣するなど懸命にキャンペーンを展開したが、NHKドラマの「ちゅらさん」効果で大幅増が見込まれた観光客は逆に2万人も減となり、観光産業のもろさをあらためて露呈した。
与那国もそうだが、軍隊はいったん配備されるとだんだん増強され肥大化する。元外務官僚の孫崎享氏は「日本は中国と軍事的に対決しても勝ち目はない」と離島への自衛隊配備の必然性を否定した。沖縄は現在でも国防を担い過ぎだが、さらにそういう必然性のない自衛隊を、新空港開港でようやくにぎわいを取り戻した「観光の島」があえて自ら大きなリスクを背負ってまで配備させる必要があるだろうか。
支援のお礼にポストカード 「ちむぐくる」
東日本大震災・福島原発事故被災者、避難者支援ネットワーク石垣島「ちむぐくる」(浦内克雄会長)はこのほど、チャリティーポストカードを作り、寄付者に返礼として贈っている。
「ちむぐくる」は被災地からの避難者や、他地域からの自主避難者を受け入れ。児童生徒の保養や体験事業などで福島、岩手の両県からこれまで延べ200人以上を受け入れている。8月には、福島の高校生5人を8日間招待したばかり。
チャリティーポストカードは、サポーターが撮影した石垣島の風景や昆虫、星空などを使ったもので9種類。1セット3枚入り。
寄付などの問い合わせは090ー5934ー1233(江川義久さん)。
新年度にも加工施設 サツマイモ
菓子類の原料などとして需要が高まり、生産量が伸びている甘しょ(サツマイモ)について石垣市は19日、加工施設の導入について具体的な検討を始めた。市甘しょ振興協議会(会長・向井信夫石垣市農政経済課長、委員10人)を市役所で立ち上げ、農家や2次加工業者らにアンケートを行い、先進地を視察した上で施設規模や運営方法などについて年内に方向性を打ち出すことを確認した。早ければ2015年度の一括交付金を活用して整備する予定だ。
石垣島で主に栽培されているサツマイモは「沖夢紫」。2013年は40戸の契約農家が7㌶で60㌧を生産。契約先の農業生産法人(有)石垣島薬草研究会(運道和直代表取締役)がペースト状に1次加工して出荷している。ペースト量は40㌧。
運道代表取締役によると、現段階でも年間200㌧の生産量がないと足りない状況で、協議会では5年後の目標として500㌧(ペースト量350㌧)を掲げた。
協議会では、サトウキビ収穫後のほ場を利用した甘しょ生産の拡大を図り、加工施設を導入して6次産業化を推進する考え。収穫後のほ場を活用することで裸地状態も解消でき、赤土流出防止によって環境保全型の農業も展開できるとしている。
今後、サトウキビ農家を含む生産者と本島の菓子店を含む2次加工業者を対象にアンケートを行い、今後の生産体制や土地利用、需要見通しを見極めた上で加工施設の規模や運営方法を検討する。
会長の向井課長は会議の冒頭、「甘しょを生産することでサトウキビ収穫後の裸地を解消し、赤土流出防止も図りながら農業所得を向上させたい。加工施設の導入で6次産業化につなげていきたい」と話した。
協議会のメンバーは市の農政経済、商工振興、環境の各課長のほか、県、研究機関、農業団体、生産組合、加工施設の担当者や代表者ら。