![号砲の合図で勢いよく駆け出す25㌔の選手たち=10日午後1時、与那国中学校グラウンド 号砲の合図で勢いよく駆け出す25㌔の選手たち=10日午後1時、与那国中学校グラウンド]()
【与那国】第26回日本最西端与那国島一周マラソン大会(主催・与那国町、主管・与那国町体育協会)が10日、与那国中学校グラウンドを発着点に島を東回りに一周する25㌔と、西崎灯台をスタートする10㌔で行われ、25㌔男子は古見仁也(18)=西原町=が1時間37分00秒、女子は水沼亜樹(37)=東京都=が1時間53分26秒で、ともに初出場で優勝を飾った。10㌔男子は富田繁生(37)=鹿児島=が36分20秒、女子は野口歩美(22)=那覇市=が44分15秒でそれぞれ初優勝を飾った。大会には25㌔の部に253人、10㌔に278人の計531人がエントリー。25㌔で209人、10㌔で241人が制限時間内にゴール、完走率はそれぞれ82・61%、86・69%だった。
天候は秋晴れ。気温が27・9度まで上がったが心地よい風が吹き抜けるなか、選手たちは起伏に富んだ島のコースを懸命に走り、沿道の観客の声援が後押しした。
大会は与那国祖納青年会による力強い太鼓のリズムで安全を祈願し、午後1時に25㌔がスタート。
男子は、序盤から古見と大会通算10回目の優勝が懸かった村松稔(41)が抜け出し終盤までトップ争いを展開。残り3㌔で古見がラストスパートをかけ、わずか19秒差でゴールした。女子は、水沼が序盤から1人飛び出し、最後まで独走した。
給水地点ではボランティアの子どもたちや地域住民が「ファイト」などと声援を送った。選手たちも仮装やかぶりもので大会を盛り上げた。
レース終了後に同校体育館で行われた表彰式では、各年代の優勝者にトロフィーや賞品が授与され、恒例のふれあいパーティーも参加者らを楽しませた。
【25㌔・男子優勝】
念願のレースを制す 古見仁也(西原町)
新星の登場。父が与那国島出身の在沖2世。高校までは長距離の選手で、与那国島マラソンには以前から出場したいと思っていたが、高校の間は、他の大会との兼ね合いから出られず、ことし卒業して夢がかなった。
スタートから島の先輩・村松に付いていった。「初めてで起伏がきつかったが、途中で海が見えて気分転換できた」と振り返る。
終盤まで2人で並走。古見はラスト10㌔、5㌔と仕掛けたが前に出られず、残り3㌔の上り坂で「ここが最後の勝負」とスパート。最後はグラウンド半周差でテープを切った。
八重山毎日駅伝にも出場する予定。「少しでも与那国島に貢献したい」と意欲を語った。
【25㌔・女子優勝】
満面の笑顔でゴール 水沼水沼亜樹(東京都)
「アップダウンで終始きつかったが海や景色を見ながら走り切った」。満面の笑顔でゴールするとすぐに一緒に走った仲間たちと喜び合った。
10年前に八重山旅行で出会い、走る趣味も共通していた仲間たちで与那国島マラソンに初めて出場。
最初から前に出るつもりはなかったが、スタートから「なんだかワクワクして飛び出しちゃった」。すぐにきつくなったが、男子の仲間とつかずはなれず走り、「今1位だよ」という沿道の声援に後押しされた。
長距離経験者で、しばらくは遠ざかっていたが、旅のついでに海外でマラソンに出るようになって火がついた。「旅と走ることが好き。与那国島独特のパワーがあった」と満足気に語った。