「尊き1票を○×候補に」。ウグイスも声をからす。3市町議会議員選挙の戦いはきょうまで。その尊い1票を決してムダにしてはならない▼2006年9月の石垣市議選。最下位当選者に6票差、次点に1票差で落選した候補者が「自分の名前と読める」として無効票の再確認を求めた。それから1年余り。最高裁は「○×氏の名前を誤読して記載したと判断するのが相当」と判示、得票と認定した▼欠員が生じて繰り上げ当選していた次点者の得票と同数となり、くじ引きで当選者を決定することに。くじ運に恵まれず落選したが、1票の価値をあらためて知らしめる出来事だった▼昨年8月の与那国町長選。無効とされた投票用紙には、明らかに候補者名を読み取れるものも複数あったが、「フリガナ」「訂正のための取消線」「書き直し」「書き損じ」「誤字」などがあったとして有効と認められなかった▼仮に認められたとしても選挙結果には影響しなかったが、町選管は「投票者の意思を汲みとるのを軸にすべきだとの判例がある」とし、当時の選管委員長も「今後、立会人とともに選挙の前に勉強会をしたい」と改善を約束した▼投票用紙に書き込む際、有権者は候補者名がはっきり分かるように。そして選挙長と立会人はその意思を最大限汲みとるように。(比嘉盛友)
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