8月31日付3面掲載の自衛隊配備に関するアンケートで、賛成理由として多かったのは「災害救助」と「抑止力」だった▼防災の基本は自助、共助、公助とよく言われる。石垣市で一義的に公助を担う防災機関は市消防本部である▼ところが、どうだろう。職員は62人と、消防庁が整備指針で目標とされる充足数の45.9%しかない。全国平均77.4%、全国最下位の県平均61.9%を大きく下回り、県内18消防で最下位の充足率である。徐々に向上しているが、まだまだ。まず足元に目を向けよう▼抑止力の主力装備とされるのは、島しょ部への侵攻を洋上で阻止するという地対艦誘導弾と、これと連携して防空を担当するという地対空誘導弾である。これらは車載式で移動可能▼で、何機あるいは何台あれば、抑止としての効果が発揮されるのか。宮古島には、昨年12月の説明会で地対艦4機、地対空3機との説明があったようだが、石垣島への配備数についてはいまだ明らかにされていない。配備に向けた予算136億円を確保したことし4月の段階でさえ、防衛省沖縄防衛局は取材に「現時点では基数は何ら決まっていない」と回答していた▼本当だろうかと疑いたくなる。本当なら、入念に錬られた戦略かと勘ぐりたくなる。でも、業務は着実に進んでいる。(比嘉盛友)
↧