石垣市議会議員選挙(9月2日告示、同9日投開票)を前に八重山毎日新聞社は立候補予定者30人にアンケートを行った。平得大俣への陸上自衛隊配備計画について13人が「賛成」、12人が「反対」の姿勢をそれぞれ明確に打ち出した。5人が「慎重」「その他」を選択、疑問視する姿勢もうかがえる。平得大俣という場所に限らない石垣島への自衛隊配備について「賛成」が17人、「反対」が11人、「慎重」が2人だった。
平得大俣への配備に協力する考えを表明している中山義隆市長を原則支持する与党系は16人、原則不支持の野党系は11人、「是々非々」の中立系は3人。陸自配備計画については、与党系のうち公明公認の2氏が「慎重」姿勢を示した。
石垣島への配備に賛成する理由として▽国防は国の専権事項。国防と大規模災害への迅速な対応ができる▽尖閣諸島をめぐる動き、南シナ海への進出などに対する中国への抑止力として必要▽備えあれば憂いなし|など。
反対理由では▽ミサイル車両は移動式なので島中が有事の際に標的となる▽緩衝地帯とすることが抑止力になる▽周辺諸国との緊張を高める▽自然環境、市民生活、農業、観光への影響がある|などがあった。
平得大俣への賛成理由では▽専門家があらゆる視点から適地と判断したところ▽議論も尽くされ、防衛省も誠意をもって回答したので不安が払拭(ふっしょく)された|、反対理由では▽優良農地▽地下水源への影響▽近接住民も強く反対していること▽神聖な場所で、集落も近い▽住民の合意がない|など。
石垣島への陸自配備には賛成しつつ、平得大俣への配備には「その他」を選択した予定者からは「地域住民の理解なくして事実上の受け入れ表明がなされたことに疑問」「地域住民の合意を得られないまま計画が進んでいる」「性急に建設地を限定することには不安が残る」との指摘があった。