八重山漁協の荷さばき場の西側に隣接する県有地3400平方㍍に、水産物加工処理施設が2014年度内に建設される見通しだ。石垣市が4億5000万円をかけて整備し、漁協に指定管理を委託する予定だ。現加工場は老朽化している上、手狭で設備も不十分。新たな加工施設にはレトルト釜など最新の設備を導入し、鮮度管理や衛生管理を徹底して付加価値の加工品製造を目指す。市は6次産業化を推進する。
漁協には、1978年に補助事業で整備されたかつおぶし加工場(1075平方㍍)がある。2005年以降はモズク加工場として使用してきたが、天井の剥離など修繕が困難な施設になっているという。また、荷さばき場に隣接する形で市が整備した加工場(51・3平方㍍)もあるが、スペースが狭く、4人が一度に作業をできないなど製造数に限界が出ている。
新加工場ではレトルト釜のほか洗浄機、加工台、タンク、冷凍・冷蔵施設を完備。モズクやマグロ、ソデイカ、養殖ヤイトハタなどを加工し、年間の処理量はモズクで700㌧、ソデイカで70㌧、マグロで20㌧を計画する。これに伴い、パートの従業員も確保する予定だ。
ハード面の整備に伴い、市は産地協議会を立ち上げており、衛生管理の講習会などソフト面での対応も行っている。異物混入を防ぐため、金属探知機の整備も予定する。上原亀一組合長は3月31日の会議で「薫製ができる機能を施設内に盛り込んでほしい」と要望した。