9日から2日間、宮崎市民文化ホールで開かれる第61回九州学校農業クラブ連盟宮崎大会(同連盟など主催)の意見発表で八重山農林高校フードプロデュース科2年の嶺井泰志君(16)、プロジェクト発表で同科3年の富川朝信君(18)、新垣伊武樹君(17)、山根梨里花さん(同)、同2年の野底紗彩(さあや)さん(16)が県代表として出場する。2年連続出場の嶺井君は、昨年優秀賞を獲得したが、最優秀賞のみが行ける全国出場権を逃しており、今大会でリベンジを誓う。プロジェクト発表に挑む4人も全国を見据え、九州の頂点を目指している。(松井弥恵子記者)
■勉強と練習に余念なし
意見発表は身近な問題や将来の課題を7分以内、プロジェクト発表は日ごろの研究活動の成果を10分以内に発表する。いずれも終了後に審査員から内容の詳細を聞かれる質疑応答が行われる。
5人は7月上旬の県大会終了後、学校や家で空き時間を利用して調整を重ねてきた。発表方法や態度、質問に対する回答も評価に関わるため、勉強や練習に余念がない。
■「1位で恩返しを」
「今は、little 経営者」の演題で、養鶏農家の課題解消に向けた研究について発表する嶺井君は、飼料費コストの削減と卵黄の色が淡くなるという課題を、父親が作っているウコンのかすを飼料に添加することで「解決の切り札になり、父の農業経営の改善にもつながる」と訴える。
昨年の九州では全力を出し切るもあと一歩届かなかった嶺井君は「ことしは(その一歩分は)いける気がする。できるだけのことはしてきた。お世話になっている両親や先生方に1位を取って恩返しがしたい」と活躍を誓う。
■他県にない強み
富川君ら4人は「放牧肥育に関する研究Part3」のテーマで、地元で育つ牧草やビールかす、破砕米などの副産物を有効利用した褐毛和牛(あか牛)の牛肉生産を紹介する。県大会終了後は、ストーリー性を持たせるために原稿の構成を変え、パワーポイント資料の色や線の太さを修正。大会当日は、プロジェクターとパソコンの操作を富川君と野底さん、発表を山根さんと新垣君が担当する。
リーダーの富川君は「放牧肥育の研究ができることは他県にはない強み。全国を目指してまずは九州でしっかり発表したい」と意欲。質疑応答で回答する大役を担う新垣君は「県大会より深い内容を質問されると思う。将来的な展望なども含めて勉強して、しっかり答えられるようにしたい」、原稿の6割を発表する山根さんは「県大会で何度か読み間違いがあり、改善して臨みたい。今までで一番いい発表をして九州を突破し、全国に行きたい」と力強く語る。
唯一の2年生の野底さんは「先輩たちのサポートをして、行ける所まで行きたい。研究を引き継いで継続していける人も集めたい」と先も見据えている。