県内の農林漁業者などを対象にした沖縄県の6次産業化人材育成活性化事業の説明会(県主催)が9日午後、石垣市商工会館研修室で行われ、県の担当者が概要を説明したほか、大野農園㈱(福島県石川町)代表取締役の大野栄峰氏(35)が講演した。
大野氏は東日本大震災後、新しい形での農業経営を展望し、2012年に実家のりんご農家を法人化。ソースなどの加工品を製造したり、アップルピザのキッチンカーのほか、りんごの樹のオーナー制度を導入、農園で農作業の手伝いを参加目的にしたイベントを開催するなど、新たな発想で展開した事業を紹介した。
「商品を売るのではなく、理解と想像を売る」をテーマに、「これまで収穫期以外は収入がなかった」が、さまざまな工夫で「年間を通して収支のバランスが取れ、安定した経営ができている」と説明。
大野氏はさらに「年間を通じていつでも大手量販店に安定的に供給できないことは弱みとされがちだが、毎年楽しみなワインのようにとらえれば強み。地産地消を広げれば物流コストを利潤化できる」と全県の農家と団体を組み、県内のチェーン量販店に商品を卸す取り組みも紹介した。
講演後は、同事業で行う研修や補助金などの説明があった。