【那覇】夏の甲子園出場を懸けた第100回全国高校野球選手権記念沖縄大会(県高等学校野球連盟、朝日新聞社主催)の3回戦8試合が8日、県内3球場で行われた。八重農は、沖縄セルラースタジアム那覇の第2試合で首里を、最終回の大逆転劇の末6—5で下し、4回戦進出を決めた。八重農は15日、コザしんきんスタジアムの第1試合で中部商業とベスト8進出をかけて戦う。八重高は、沖縄セルラースタジアム那覇の第1試合で第2シードの興南に1—3で敗れた。
【那覇】初回表、八重農は先頭の石垣永恭が右越三塁打で出塁すると3番・鷹野蒼治郎がスクイズをきっちり決め、1点を先制。しかしその裏、首里に二塁打などで2点を奪われリードを許すと、四回と八回にも追加点を与えて1—5と引き離された。
首里の継投を打ち崩せず八回までゼロ行進が続き1—5で迎えた最終回、監督の「奇跡を起こそう」の言葉に選手たちが応えた。
8番の代打で打席に立った平田極が「来た球を振り抜いた」と真っすぐを中前にはじき返し反撃ののろしを上げると9番・仲野明日貴、石垣の安打と2番・宜間遥希の左中間を抜く二塁打で一挙3点を奪いかえし4—5と1点差に迫った。
八回に自らの判断ミスで走本を許した鷹野は「自分のバットで必ず取り返す」と気持ちを込めて打席に立ち、この日初めてとなる安打で同点。試合を振り出しに戻した。八重農の打者一巡の猛攻に動揺した相手投手の暴投の隙にさらに1点を追加。土壇場で勝ち越しに成功した。
3番手として四回途中からマウンドに立った嘉弥真は最終回、危なげない投球で1点を守り切り試合終了。激闘の末、4回戦進出を決めた。
鷹野主将は「自分のミスで2点取られた時は、涙が出て弱気になったがチームメートの必死な姿を見て気持ちを切り替えることができた」と振り返った。
砂川玄隆は「序盤は選手たちに緊張が見られたがまさかこんな展開になるとは。後半の打撃戦に持ち込み勝ち抜いた選手を誇りに思う」とたたえた。
結果は次の通り。
【3回戦】
八重農
100000005|6
200100020|5
首里
(農)仲野、石垣、嘉弥真|宮城
(首)比嘉、知念、金城恭、比嘉、赤嶺—金城恒
▽三塁打=石垣(八)、比嘉、金城恒(以上首)
▽二塁打=仲野、宜間(以上八)、島袋、照屋(以上首)