竹富町役場移転に伴う石垣支所建設計画の候補地として町から提示のあった石垣市有地について、市は18日、港湾計画の見直しなどを理由に現時点で町が取得する可能性は困難が予想されると、5月に回答したことを6月定例市議会で明らかにした。議会終了後、文書で伝える。箕底用一氏の一般質問への答弁。答弁の内容から候補地は、町役場前の危険物取り扱い施設がある市有地の一部。町側から口頭で説明のあった第2候補地の国有地についても、港湾施設内にあることから同様に困難と伝えた。
答弁によると、市はことし2月と4月、町から市有地の取得手続きについて依頼を受け、▽石垣港湾計画の見直しによる計画変更の手続きが生じることが予測される▽国や関係機関を含めた審議となるため時間を要する|ことから、売買を前提とする公有財産検討委員会の開催を困難と回答した。
安里行雄建設部長は、候補地について「国に要望している第2架橋の構造・規模、取り付け道路など、ユーグレナ石垣港離島ターミナル周辺の動線計画など、総合的にさまざまな検討が必要になる。港湾計画の見直しとなると、審議会を含め関係機関との調整に時間を要する」と説明した。
箕底氏は「八島第2駐車場もある。市の協力は」とただし、安里部長は「正式に依頼を受けていないが、当該用地は埠頭(ふとう)施設として機能しており、有効活用されていることから、機能の確保など将来計画との整合性から見直すことについては困難」との認識を示した。
中山義隆市長は「候補地は石垣市のまちづくりでも重要な場所。港湾計画は長い時間をかけてつくったもの。はいそうですかとはいかない。今後、町長を含め話を進めたい。どのような形でやれば双方の思いが達成できるのか、さまざまな観点で取り組みたい」と答弁した。
町が実施した石垣支所に関する土地・施設等調査委託業務によると、支所に必要な敷地面積は約2100平方㍍。
■新庁舎建設 7月上旬に工事入札
本年度発注は10件38億円
6月定例石垣市議会(知念辰憲議長)は18日、一般質問の日程に入り、初日は長浜信夫、仲嶺忠師、箕底用一、平良秀之の4氏が登壇した。
新庁舎建設で当局側は、地元業者優先発注の観点から指名競争入札を行う方針を明らかにした。仲嶺氏への答弁。7月上旬に建築工事の入札を行う予定。本年度の発注は10件約38億円。
風景計画の見直しをめぐり、長浜氏は「本市観光の本質は自然環境や景観。見直しはこれに逆行する。市民や議員への説明が不十分だ」として慎重な対応を求めた。
安里行雄建設部長は「策定から10年が経過し、社会情勢の変化から見直すことになった。しっかり運用し、景観創出と新たなまちづくりに取り組む」と述べ、予定通り変更手続きを進めていく考えを示した。
学童クラブへの運営補助金の交付回数について、南風野哲彦こども未来局長は本年度から回数を1回増やし、6月、12月、5月に交付する、と報告。放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善事業についても研修費を補正予算に計上していると説明した。平良氏への答弁。
平良氏がユーグレナ石垣港離島ターミナルに求めた、障がい者や高齢者ら介助が必要な利用者の乗降に配慮した駐車スペースの確保について、安里建設部長は「関係機関と調整しており、正面玄関前の2カ所に年内の早い段階、上半期内に設置したい」と答弁した。