石垣市消防本部(宇根規光消防長)と市内で無人航空機(ドローン)を専門に扱う合同会社パワナ(十河学代表)、空撮仕事人(嵩本安博代表)は30日、災害時にドローンで消防・人命救助などの活動を支援する協定を結んだ。ドローンを活用することで、災害時に救助や捜索活動の強化を図る。今後は、両事業者が市消防職員に対しドローンの操縦士養成を行い、災害対応の専門性を高める。
ドローン導入の背景には、人災や自然災害時に、救助隊らが足を踏み入れることのできない現場を、上空から確認し、捜索や救助活動に生かす狙いがある。
ドローンは、全国複数の消防で運用され、県内では昨年、島尻消防本部=南城市=、ニライ消防本部=嘉手納町=で導入や民間事業者との協定が結ばれている。
市消防は、ドローンで建物や林野火災発生時の情報収集、山間部・水難事故などにおける救助や捜索活動に運用する。ドローンの機種によっては、水難救助時にドローンで救命胴衣を運ぶことや、赤外線カメラによる夜間の捜索活動なども可能で、市消防は職員を操縦士として養成させ、消防独自でドローンの導入も検討している。
同本部で行われた締結式で、宇根消防長は「今後の災害時活動に変化をもたらす。防災力が向上し、災害に強い街づくりを目指したい」とあいさつした。十河代表は「情報収集機能として、リアルタイムで撮影した上空写真を、マッピングとしてデータ化することで救助の効率も上る」と機能の特性を生かし支援を強調。嵩本代表は「去年、警察の捜索活動に協力したことが縁で消防から今回の話をいただいた。人命救助に役立てたい」と抱負を語った。
この後、屋外でドローンによるデモンストレーションを実施。指揮を執る隊員に捜索現場の情報を伝える設定で、ドローン2機を飛行させた。高画質の4Kカメラで撮影された鮮明な映像に、消防職員らは驚いていた。