熊本市街は眺望が開けていて美しい。これは、建物の高さを熊本城本丸の石垣の高さを基準に制限してきたからだと聞く▼島でも、近年八重山ヤシやヤラブなど在来樹種の高さを超えない建物での街並み形成をめどに成果を上げてきた。ところが先日、一部事業者のためにとしか思えない改正案が審議会に上程され採決に付された。川平地区は否決された。当然だ▼そもそもなぜミシュランが川平湾を最高の三ツ星にランク付けたのか。それは、川平湾の景観を地球の宝として守ってほしいとの願いを込めているからではないか。川平湾と半島の眺望には高層建築物は似合わない、現状のおもと山系吉原側に立つ通信塔も公園側からの眺めをそぐ▼グラスボートの湾内遊覧も昼間はやむ得ないが係留、発着は駐車場として整備された水産試験場寄りの海岸沿いに桟橋(浮可)を設けることで改善できないか。回復したホテル跡の砂浜に電動グラスボート用の給電施設を設けているが、こんな補助金こそ遊覧船基地整備に使いたい▼川平湾の生態系保全では生活雑排水や赤土を伴う雨水の湾への流入防止策も徹底したい▼ともあれ台風接近前後の何も無い川平湾が一番というリピーターの声は天の啓示と受け止めよう。経済優先でミシュランに見放されないよう心したい。(仲間清隆)
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