石垣市の都市計画景観地区変更手続きをめぐる事前協議で、県は昨年12月28日付土木建築部長名で「変更原案は、良好な風景づくりを目指す都市計画の方針と整合が図られていない。都市計画制度の活用は、目指すべき将来像を実現するため、長期間を要し、一定の継続性、安定性が求められる」として異議を唱える回答を行っていたことが24日、情報公開請求で開示された資料で分かった。市も同日の都市計画審議会で、「石垣市の考え方」を加えて資料を公表した。
県は、2011年に市が策定した都市計画に関する基本的な方針(市都市計画マスタープラン)に基づき、「川平湾が健康で、時とともに価値が高まる美しい川平地域を目指し、良好な景観形成に努めるとしている」「観音堂地区は自然と調和のとれた良好な町並みの形成を図るとしている」とした上で、変更原案がこれと整合がとれていないと指摘した。
川平眺望保全地区の区域設定では「対岸から川平湾を眺望する景観も保全すべき区域として検討する必要がある」と回答。審議会でも、石垣自然保護官事務所上席自然保護官の藤田和也委員が「国立公園管理計画の主要な展望地に川平展望台と(対岸の)仲筋展望台が含まれており、仲筋展望台からの眺望も保全すべきだと思う。視点場が狭いとか、快適性がないというが、素晴らしい眺望が高さ制限の緩和で損なわれることがあってはならない」と求めた。
一方、県土木事務所長の勢理客武委員が「市の考え方は、県の意見を踏まえない案と理解される。修正点はなかったのか」とただしたところ、都市建設課の担当者は「県の回答は、事前協議の観点からずれている。ただ、指摘にはすべて市の方として整合性を図っている。県の考え方と違うので、市の考え方を示している」と答えた。