宮良手前の風致地区・国道390号海岸沿いは開発が進み、ホテルや食事処、海洋レジャー事務所などでにぎわっている▼早朝通ると並木のヤラブの落葉を掃き集めている夫婦がいる。掃き集めは自宅や店舗の前だけでなく散策道として整備されたヤラブの古木並木一帯に及んでいる。聞けば、竹富島の集落内白砂道の早朝掃き同様、観光客が起きだす前に一仕事終えるという▼ほとんど毎日だというから落ち葉は大量になる。当初は店の前を主体に掃き集め、役所指定のごみ袋に詰めて定期回収日に出していたが、清掃範囲を広げるにつれ、袋はいくらあっても足りない状況に▼安いとはいえ、ただではないごみ袋に頭を痛めていたら、役所備え付けのボランティア用ごみ袋を使ったらどうかと教えてくれる人がいた。落ち葉は袋に詰めて場所を決め積み上げて置いたら、役所が回収までしてくれるという話に▼その話に後押しされた夫婦は、今ではヤラブの落ち葉の掃き集めだけでなく、周辺に生えているクバの枯れ枝や葉、ポイ捨てごみに至るまで拾い集めてくれている。通りがけに「ありがとう、毎日お疲れさま」と声をかけると、「自分の店の前だし、当然のこと、運動にもなっています」と笑い返す▼この夫婦の一生懸命さを見ていたら何かしら手助けしたくなった。(仲間清隆)
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