18日は旧暦3月3日の「浜下り(サニズ)」。女性が手足を海水にひたし、不浄を清める風習があり、ことしも絶好の日和の中、大勢の市民が潮の引いた浜辺に繰り出し、潮干狩りを楽しんだことだろう▼一方でこの日、本社に石垣市内に住む女性から1本の電話があった。「モズク採りを楽しみに海に行く予定だが、採ってはいけないのか?」という内容。本紙が同日付で掲載した一般の人が年間通して採ってはいけない海の生物の記事を見て電話してきたのだ▼沖縄県漁業調整規則や漁業法で、モズクを含めシャコガイ類やイセエビ類、タカセガイ、ヤコウガイなどは漁業権を持たない者が採取すると20万円以下の罰金が科せられる▼限りある資源や漁業者の権利を守るためのものだが、このことが一般市民や観光客らに十分に周知されているのかは疑問。知らずに禁止されている貝類を採り関係機関に捕まった市民もいるようだ▼その女性は「せめて浜下りの時だけでも、自分で食べる分ぐらいは採ってもいいのではないか」と不満をぶつけた▼「昔は何も規制が無かった。それでも自分が食べる分だけしか採らなかった。昔が良かった」。資源保護、漁業権は理解するが、その女性の意見に共感する市民も多いのでは。善処策は無いものだろうか。(下野宏一)
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