3月定例石垣市議会(知念辰憲議長)の一般質問最終日は28日、福島英光、今村重治、大石行英、仲間均の4氏が行った。多額の建設費を理由に見直しを求められた新庁舎設計について当局側は「本市にとって極めて重要な事業。新年度から着工できるよう全力を挙げて取り組みたい」と述べ、見直す考えがないことを強調した。今村氏への答弁。
答弁によると、建設費の総額は約77億円。借入額の70%の地方交付税措置がある緊急防災・減災事業債を活用するため、市の実質負担額は庁舎建設基金や、交付税措置のない一般単独事業債など約48億円。
今村氏は「市役所は職員が市民のために仕事をするところ。りっぱな外観でなくてもいい。大事なのは内部の機能だ」と強調。同規模の人口を有する豊見城市の新庁舎建設事業費約51億円を例に「石垣市は事業債と基金だけで54億円。この予算で建設した場合、実質負担額は25億円と今より23億円安くなる。学校の修繕費に2億円かかるのにスケジュールもない。これで借金する余裕があるのか」と見直しを迫った。
知念永一郎総務部長は「2013年度の基本構想から5年でたどり着いた。さまざまな会議を持ち、1076件の市民意見もいただいた。避難所、障がい学習などさまざまな場を有しており、ランドマークとなる庁舎を目指している」と現行案に理解を求めた。
大石氏は、日中友好平和条約締結40周年を記念し、唐人墓での慰霊祭と、平和の象徴といわれる陽光桜の植樹、駐日大使を招いた講演会を提案。唐人墓や陽光桜の由来を紹介しながら「日中友好のシンボルが誕生する。友好の架け橋になる」と提案。
慰霊祭と講演会について中山義隆市長は「どの時期が適当か、どういう形で開催が可能か検討したい」などと応じ、陽光桜についても安里行雄建設部長が「現地調査も行い、実施に向け検討したい」と答弁した。
【石垣市議会一般質問要旨】
▶施政方針
福島英光氏=幼保連携型こども園への移行計画、手話言語条例の制定の取り組みは。
宮良亜子福祉部長=2018年度から19年度にかけて施設改修、担当職員増を図り、20年度の開園に向け取り組む。移行することで3歳から5歳までの連続した教育保育を提供したい。手話言語条例については7月ごろ、学識や当事者団体、福祉団体などをメンバーとした検討委員会を立ち上げる予定。
▶一般廃棄物処理
今村重治氏=最終処分場の延命化策と焼却施設の建設は。
前底正之市民保健部長=現処分場の埋め立て物を掘り起こして焼却処理する案、掘り起こした埋め立て物を島外に船舶輸送して処理する案、最終処分場に擁護壁を築造して容量増加を図る案があり、どの案で実施するか次年度以降に引き続き審議する。掘り起こし案で15年の延命化を見込み、擁護壁は3㍍が限界なので7年。
▶農振総合見直し
今村氏=見直しに向けた取り組みは。
山田善博農水部長=昨年5月から基礎調査を実施しており、その結果を踏まえ18年度から総合見直しの作業に着手する。除外要望申し出は1月17日から6月29日まで。
今村氏=非農地証明が出ても農振除外されないと利用ができない。農振除外の要件を満たしているとみなせないか。
山田部長=一概に要件をすべて満たしているとは判断できない。
▶「平和の一大潮流」
大石行英氏=各国の駐日大使を招き、世界に平和の鐘を響かせる世界平和の鐘設置30周年記念式典のスケジュールは。
前底市民保健部長=県支部と協議を重ね、鐘打式典と祝賀会を開催予定。4月の総会後に実行委員会を結成して早急に取り組む。
大石氏=核廃絶都市宣言では、世界一平和で幸せなまちを目指す石垣市から宣言する、とある。平和の一大潮流を起こす原点は核廃絶宣言。難攻不落の平和の要塞(ようさい)を築く思いは。
中山義隆市長=国際観光都市、平和発進都市を目指している。ことしは日中友好40年周年、世界平和の鐘30周年の節目で、運命的なものを感じる。市民と協力しながら取り組みたい。