㈱竹富町物産観光振興公社(上勢頭保会長)が西表製糖工場敷地内で昨年10月から整備してきた集中脱葉施設が26日完成し、同日午前、同所で関係者が出席して落成および稼働式が行われた。施設の処理能力は1日100㌧。稼働により農家の手刈り作業の負担軽減、人手不足の解消が見込まれる。
施設は一部中2階の平屋建てで、延べ床面積は645.85平方㍍。事業費は4億6000万円。葉や泥などサトウキビの不純物を除去する脱葉処理装置や、除去した葉がらを梱包(こんぽう)するためのトラッシュ梱包装置などを備える。トラッシュ梱包の処理能力は、1時間あたり518㌔。
落成式では、西大舛髙旬竹富町長や西表糖業㈱、西表島さとうきび生産組合、設計や建設を担当した会社、沖縄振興開発金融公庫八重山支店など関係団体の代表10人がテープカットを行い、施設の完成を祝った。
式後の直会で上勢頭会長は「生産農家や地域から愛され、活用され続ける施設として竹富町の発展に寄与してほしい」とあいさつ。
西大舛町長は「農家の負担が大幅に軽減され、今後は収穫面積の拡大と10㌃当たり収量増、後継者育成を図るなど、さらなる発展に向けて明るいきざしが見えてきた」と施設完成を喜んだ。
西表豊原の農家・友利良太さん(37)は「アルバイトを雇っても人手が足りない現状なので、人手不足の解消をとても期待している。生産量が安定したり、負担が軽くなる事で、離農の歯止めになってくれれば」と語った。
竹富町商工会の米城智次所長は「町商工会が筆頭株主となり、離島の課題解決を主眼に設立した町物産観光振興公社が、今回のような課題解決に向けて革新的かつ迅速に、全力で対応できたことを、支援機関として誇りに思う。本案件が他の県内離島の課題解決のヒントになれば幸い」と語った。