北部地域の住民ら11人が伊野田の農園で昨年9月から野菜を栽培してきた「畑おこし講座」(石垣市北部農村集落活性化協議会主催)がこのほど終了。収穫した野菜を使った料理の試食会が21日午後、石垣市平久保のホテル「セブンカラーズ石垣島」(戸田直之代表)で開かれた。受講者や家族ら約20人が参加して料理を堪能するとともに、今後の地域振興や活性化について考えた。
同講座では、嵩田地域で農園を営む花谷史郎さん・まゆさん夫妻が講師を務め、炭素を人為的に土壌に持ち込み、微生物の働きで効率よく植物に吸収させる炭素循環農法「たんじゅん農法」での野菜栽培を指導。
農家がホテルやレストランの料理人に直接農作物を販売している名護市の「やんばる朝市」や、しらほ日曜市の取り組みなども講座で学んできた。
試食会では島ニンジンやじゃがいも、玉ネギなどを使用して同ホテルの梶原哲人料理長(55)らがイタリア料理のパターテ・アル・フォルノやカレー、スープなど7品を用意した。
受講者で最高齢の金城ソノエさん(70)は「玉ネギは薬味のような感じで使うことが多いが、きょうのメニューでは主役になっていて、良さがうまく生かされていた。今回の取り組みが北部の活性化につながるきっかけになれば」と期待。受講者で祖母の照屋幸子さんとともに料理を満喫した平良美凪(みなぎ)さん(8)は「じゃがいもの料理とカレーがとてもおいしかった」と笑顔で語った。
中心となった受講者の宮城奈美子さん(37)は「少子高齢化が進む中、この取り組みを起爆剤にして人を増やしたい。こういう地域や野菜があり、こだわりを持っていることを知ってもらうきっかけになれば」、戸田代表は「北部地区の皆さんとお客さまをつなぐ懸け橋となり、地域振興や活性化の一翼を担えれば。北部の魅力を発信したい」とそれぞれ話した。
同講座は農山漁村振興交付金活用事業の一環。月に1~2回の割合で実施した。